文化認識論

(世界を記述する。Since Oct. 2019)

政党の立ち位置(その9)

前回の原稿に記したことのポイントは、結局、自発的に隷従するエリートや支配層と、そこから必然的に導かれる愚民政策によって情報から疎外される国民という図式によって、戦時中から今日に至るまで、日本の政治が運営されてきたのではないか、ということです。

 

思えば、私も情報から疎外されている。何故、原発を止めないのかということのみならず、安倍政権は何故、そんなにアメリカから武器を爆買いするのか。イージスアショアとオスプレイを買ったと思ったら、今度はF35という戦闘機を買った。これは最近、墜落して問題となっていますが、1機当たり100億円もするそうです。それを約150機購入するらしい。ざっくり言って、合計1兆5千億円というところでしょうか。私たちの血税を使って、何故、そんなに買うのか。私が知る範囲でも、2つの説があります。

 

自動車業界を守るという説・・・近々、日米貿易協議が開かれる。政府はこれを物品に限るTrade Agreement on Goods(“TAG”)だと嘘ぶいていましたが、事実上、2国間のFree Trade Agreement(“FTA”)であると言われています。このFTAの際、アメリカ側は日本がアメリカに輸出できる自動車の台数に上限を設けて来るに違いない。それを回避するために、交渉材料として、今のうちから武器を買っているのだ、という説。

 

北方領土関連説・・・現在、日本はロシアとの間で北方領土の返還交渉を進めている。一方、アメリカは日米地位協定に基づいて、日本全国どこにでも米軍基地を設置する権利を持っている。そのことに気付いたロシアは、仮に北方領土を返還した場合であって、そこに米軍基地を作らないと約束しろ、と日本に迫った。困った日本は、北方領土には基地を作らないと約束するよう米国に求めた。その見返りとして、日本はアメリカから武器を爆買いしているのだ、という説。

 

どちらの説が正しいのか。それとも別の理由があるのか。やはり、私たち一般の国民は、情報から疎外されているのです。

 

さて、少し情報を整理するために、「政党の立ち位置一覧」のVersion 2を作成してみました。

 

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左側から説明致します。例えば立憲民主党ですが、この党は自立した個人を支持基盤とし、立憲主義によって国家を運営しようと考えている。言わば、トマス・ホッブズジョン・ロックの思想を継承しているものと思われます。よって、集団スケールの個人と、国家の双方に記載することにしました。日本国憲法が想定しているエリアも同じだと思います。ちなみに、私の立ち位置も同じです。れいわ新選組も同じですが、立憲民主党との相違点は、やはりれいわ新選組が明確にMMT(“Modern Monetary Theory”)に立脚し、積極的な財政出動を主張しているのに対し、この点、立憲民主党の経済政策は今一つ明確になっていない。同党は現在、政権構想(立憲ビジョン2019)の策定中なので、これが発表になったら分かると思います。それ以外のポジションにつきまして、立憲民主党とれいわ新選組の間に大きな違いはないように思えます。

 

次に右派の方ですが、自民党の立ち位置を黄色で示してみました。自民党には長い歴史があり、また、派閥によっても立ち位置が異なるので、自民党について分析することは簡単ではありません。かつての自民党は、業界団体などと癒着し、しょっちゅう賄賂に関する問題を引き起こしていました。利権、金権政治の温床のような政党だった訳です。それが変質した理由の1つには、小選挙区制の導入ということがあった。これによって、同一の選挙区において、自民党同士で争う必要がなくなり、贈賄を行う必要も減少したと言われています。しかし、最大のターニングポイントは、郵政民営化を唱えた小泉首相の登場だった。小泉政権から現在の安倍政権に至るまで、自民党新自由主義に傾倒し、対米従属とグローバル企業優先の政策を取るようになったものと思います。

 

そこで、現在の日本政治における状況に大きな変化が生じた。従来からの左右の対立に加え、添付の図における縦の対立が生ずるようになったのです。それらの対立の中で、現在、最も先鋭化しているのは、グローバリズム反グローバリズムという構図ではないでしょうか。

政党の立ち位置(その8)

少し前の記事で、政府の日銀に対する借金は返済する必要がない、という説を紹介しましたが、どうやらこの説を最初に唱えたのはアメリカのステファニー・ケルトンという人のようです。(ネットで検索すれば、すぐにヒットします。)また、この説は一般にModern Monetary Theory(“MMT”)(現代金融理論)と呼ばれているそうです。ケルトン氏は、民主党のサンダース議員の経済顧問に就任するとのこと。ちなみに、イギリス労働党の党首、ジェレミー・コービン氏は、政権を奪取した場合、大量に国債を発行し、国民のためにその資金を投入すると言明しているそうです。国民のための投資とは、武器を買ったりするのではなく、日本になぞらえて言えば、保育園を作るとか、介護士、保育士の給与を上げるとか、学費を下げるとか、そういうことだろうと思います。

 

世界の潮流として、MMTが普及しつつある。日本の自民党の中にも、この理論に賛同している議員はいるようですが、なかなか声を上げられずにいる。最も積極的にこの説を唱えているのは、“れいわ新選組”を立ち上げた山本太郎議員です。

 

日本は、国債を発行したものの、そこで得た資金を投資しないので、折角増加したマネーストックが、銀行と企業の内部留保に滞っており、回っていかない。政府は、資金を国民のために積極的に用いるべきではないでしょうか。ましてや、消費税増税など、とんでもない。ケルトン氏もインタビューに答えて、日本は消費税を増税すべきではないと言っている。

 

高齢の政治家や評論家、歴史のある政党というのは、なかなか新しい理論に賛同し難い事情がある。過去の発言や政策との整合性が取れなくなるからです。しかし、君子は豹変すべきではないでしょうか。

 

ところで、歴史を振り返りますと、もし、1950年に朝鮮戦争が勃発しなかったら、と思わずにいられません。そうであれば、現在の日本の民主主義は、もっと進化していた可能性がある。日本と日本人は戦争を振り返り、反省し、例えばドイツのように歴史から学んでいたかも知れない。

 

他方、憲法との関係も、考えずにはいられません。日本国憲法が制定されたのが1946年。朝鮮戦争が1950年。わずか、4年の違いしかありません。もし、憲法の制定があと5年遅れていたとすれば、朝鮮戦争を経験した米軍、とりわけGHQは、平和主義の9条を認めなかった可能性がある。いずれにせよ、歴史とは人々の意志と偶然が織りなすドラマだと思いますが、私たちはそんなドラマの中で生きている。

 

話は飛びますが、皆様は何万匹という魚の群れが、近づくダイバーなどに反応して、巨大な群れの形をダイナミックに変化させる影像を見たことはないでしょうか。群れの形を変化させはするものの、魚たちは決して群れから離れない。とても優雅な映像だと思うのですが、何故、そのような現象が起こるのか。何かの本で読んだ記憶があるのですが、その原理は簡単なのです。個々の魚は、まず、外敵から逃げようとする。そして、群れの中心に移動しようとする。原理は、この2つです。外敵から逃げるのは、当然のこととして、では何故群れの中心に移動しようとするのか。それは、外敵が一度に捕食する魚の数には限度があって、ある程度の数を捕食した外敵は、それ以上、捕食しようとしない。すなわち、群れの外側にいる魚は捕獲され易く、群れの中央にいる魚は捕食されにくい。生存率が上がる。

 

一見、見事に統率されているように見える魚の群れは、実は、このように簡単な原理に従って動いているのです。2つの原理をインプットして、コンピューターでシミュレーションをしてみれば、同様の動きを再現できるに違いありません。

 

何を言いたいのかと言えば、同様の原理によって、日本の支配層はこの国を統治して来たのではないか、ということなのです。群れの中心を“権力”という言葉に置き換えてもいい。作家の五木寛之氏が繰り返し述べている話に、こんなのがあります。五木氏は、大陸で敗戦を迎えた。すると軍人たちは、一般の庶民には大陸に留まれと指示をし、自分たちだけ先に日本に帰ってしまったというのです。同じような話は、沢山あります。お前たちは、南方の島で敵と戦え。軍部は、そう指示をする。しかし、食料を支給しなかったために、南方の島に残された兵隊さんたちは、敵と戦う前に餓死してしまったとか・・・。

 

群れの中心部に移動しようとする魚の行動を、人間の世界では「自発的隷従」と言い換えることができる。何とか、権力の中枢に近づこうとする。最近の言葉に言い換えるならば、「忖度」と言っても良い。立憲民主党川田龍平氏の発案だと思うのですが、「今だけ、金だけ、自分だけ」というのもあります。なかなか言い得て妙だなあ、と思う訳です。

 

そもそも、「自発的隷従」という言葉は、16世紀のフランス人が発案した言葉なので、この傾向は日本人に固有のもの、ということはありません。もっと、普遍的な現象だと思いますが、1つ言えるのは、この傾向に陥ってしまう人は既得権を持っているエリートに多いということです。

 

例えば、今をときめく(?)カルロス・ゴーン氏ですが、彼が19年前日本にやって来た時、テレビ番組でこういうのがありました。日産の従業員が数人登場するのですが、彼らは皆、自らをゴーン・チルドレンと名乗って、業務改革に精励しているというのです。彼らは皆、異口同音にゴーン氏を絶賛する。見ていた私は、あきれてしまいました。どうせ、広報か人事が仕組んだヤラセだろうと思ったのですが、それにしても、日本人として恥ずかしくないのか。

 

エリートが、ある企業のトップに立った。それまで彼は、上司の意向を忖度することばかりに腐心してきた。そして、トップになってみると、今度は、忖度すべき上司がいない。自分の頭で考える習慣もないし、どうしたものかと思案する。そこで、仕事はコンサルタントに丸投げする。失敗すると、コンサルタントの責任にする。

 

おじいさんの代から政治家一家で、権力と既得権をガチガチに持っている人が、日本の総理大臣になった。もう誰の意向をも忖度する必要などないはずだが、トランプ大統領の意向を忖度する。

 

そんな馬鹿なと思ったあなたは、健全だと思います。

 

そして上記のような、すなわち、自分の頭では考えず、自発的隷従ばかりに気を使ってきた人が権力を握るとどうなるでしょうか。まず、説明責任を果たせない、という問題に直面します。例えば、権力に近づくため、総理の意向を忖度し、8億円もの国有地をタダ同然で森友学園に払い下げてしまった財務省。同じく、総理の意向を忖度し、加計学園獣医学部の資格を認可してしまった文科省安倍総理自身、野党から臨時国会を開けと言われても応じない。多分、安倍総理が最も嫌がっているのは、国会に出ることではないでしょうか。

 

説明責任を果たせない政治家は、何を考えるでしょうか。それは、かつてGHQから教わった3S(Sex, Screen, Sports)と呼ばれる「愚民政策」です。愚民政策の目的は何かと言うと、一般の国民が政治に興味を持たないようにすることです。若しくは、国民が簡単に嘘を鵜呑みにするように仕向けることです。プロ野球、サッカー、ゴルフ、大相撲、そしてオリンピック。トランプ大統領が、タイガー・ウッズに勲章を与えるとのことで、これはスポーツの政治利用ではないか、との議論があったようですが、安倍政権はイチローに勲章を与えようとしました。何も変わりません。(イチロー選手はこれを辞退したようですが)

 

選挙になると投票率が低いと言って問題となりますが、そんなことは当然の帰結です。何しろ政権側は、国民の目が政治に向かないよう、あの手この手を使っているのですから。元号が“令和”になったというだけで、安倍政権の支持率は9%上昇した。こうやって、目を逸らすんです。

 

戦時中の軍事政権は、戦況の悪化を隠しました。それは、政権に都合の悪い情報だったからです。日本国民にとって、最も重大な影響を及ぼすリスク情報を、政権は隠蔽したのです。では、現在の日本はどうでしょうか。私は、いくつかのリスク情報が隠蔽されているように思います。

 

1つには、第二次世界大戦で日本軍は何をしたのか。戦争責任の所在は、どこにあるのか。南京大虐殺はあったのか、なかったのか。慰安婦問題の真相は、どうだったのか。徴用工問題もあります。これらの問題は未だにくすぶっていて、それを主に韓国が指摘しています。日本政府にとっては、頭痛の種となっている。更に、戦争との関連で言えば、沖縄の問題もあります。そもそも、辺野古の基地を米軍は本当に欲しがっているのか。そんな、地盤沈下リスクのある所に基地を作って欲しいと思っているのか。

 

2つ目としては、自衛隊の問題がある。現実を直視すれば、やはり自衛隊は軍隊だと思います。軍隊を持っているのだから、その活動をどう規制するのか、憲法に定めるべきだと思います。

 

3つ目は、原発の問題。そもそも、ドイツでは既に脱原発を決めているのに、何故、日本は原発を止められないのか。いくつかの説があります。

 

既得権益説: 原子力村と呼ばれる既得権を持つ集団が、脱原発に反対している。

 

電力会社の倒産説: 原発は、電力会社の資産である。例えば、耐用年数が30年で資産計上されていたとして、それを10年で廃棄するとなると、20年分の減価償却費が損金として発生する。そうなると電力会社が倒産するので、原発は止められない。

 

核兵器技術説: 原発の技術は、核兵器の開発に流用できる。将来、日本が核兵器を開発できるようにしておくために、原発は止めない方が良い。

 

私が知っているのは、上記3つの説ですが、一体、どの説が正しいのか、若しくは3つとも正しいのか、私には分かりません。一体何故原発を止められないのか、政府には是非説明して欲しいものだと思います。

 

しかし、リスクはもう一つあります。4つ目です。これは、貧困問題です。前にも書きましたが、日本は本当に貧しくなった。そして、格差も拡大した。早く、反グローバリズムの方向に転換しないと、大変なことになる。アメリカはトランプ大統領の登場で、既に、反グローバリズムに舵を切りました。フランスではイエローベスト運動が沸き起こり、イギリスはEUを離脱しようとしている。全て、反グローバリズムの運動です。そんな中、日本だけが何故、未だに周回遅れのグローバル化に取り組んでいるのでしょうか。

政党の立ち位置(その7)

少し前の原稿で、おしどりマコさんのことを書きましたが、彼女はご主人のケンさんと共に、毎年ドイツに呼ばれるようになったそうです。そこで、原発に関する日本の状況について講演し、ドイツの学生などと交流を図っている。気になる話がありました。ドイツの学生は、日本の原発の状況に大変興味を持っており、かなり専門的な質問をして来るそうです。また、未だ選挙権を持たない学生たちも、支持政党は決めているとのこと。

 

マコさん・・・あなたたち、選挙権もないのに、どうして支持政党を決めているの?
ドイツの学生・・・選挙権を持ってから考えるのでは、遅すぎるから。

 

確かに、選挙権を得てから考えるのでは、最初の選挙に間に合わない。しかし、この意識の高さは凄くないですか? 日本とは、かなり状況が違います。では、この差はどこから来るのか。それは、戦後の歴史に理由があると思うのです。

 

ドイツの場合、敗戦後、国家は4つに分割された。ナチスによるユダヤ人大量虐殺について、世界中から非難された。罪の象徴としてのヒトラーがいて、彼は自殺した。ドイツ国民は自らのアイデンティティーの基盤を失いそうになった。ドイツ人は、自分たちのなした行為を振り返り、反省し、歴史に学ぼうとした。そして、ドイツ憲法が制定される。ドイツの人々は、この憲法を胸に生きて行こうと思った。それが、「憲法パトリオティズム」と呼ばれるメンタリティーです。

 

日本の場合はどうでしょうか。

 

戦時中、日本は各地で壊滅的な敗戦を続けていたのに、政権は日本軍が勝利したと嘘をつき続けていました。“大本営発表”という奴です。最近は、フェイクニュースなどと言って話題になりますが、そんなものは戦時中の日本政府がとっくにやっていたんですね。そして、新聞やラジオなどのメディアは、大本営発表をそのまま報道し続けた。

 

戦時中の経済についても、考えてみましょう。兎に角、武器や弾薬を作る必要があった訳です。そこで、政府は大量の国債を発行する。詳細を承知している訳ではありませんが、多分、政府の発行した国債を日銀が直接買い取っていたのではないでしょうか。紙幣なんてものは、印刷すればいくらでも出来上がる。但し、市場に流通する貨幣の量(マネーストック)が増加すれば、当然、インフレが起こって、一般市民の資産価値は相対的に下落する。しかし、当時はそれどころではなかった。鉄が不足すると、市民から鍋や釜までも取り上げて、武器の原料にしたという話もあります。(戦時中のこのような経験から、国の中央銀行は政府から独立するべきだ、という考え方が生まれたようです。)

 

そして、無限大の資金力を持つ政府から受注していたのは、武器や兵器を製造するメーカーだった訳です。こちらは、とりあえず武器を製造するために、その材料を購入しなければならない。そのための資金が必要だということになる。政府はNK銀行に対し、軍需産業には際限なく融資するように命じた。ちなみに、この軍需産業は戦後も生き続け、大企業となっている例が少なくありません。〇〇自動車とか、△△重工という会社の中には、戦時中に武器を製造していた会社が少なくないと思います。

 

こうして、政府、官僚、大企業、マスメディアなどによる戦争に対する共犯関係が成立したのだろうと思います。御用学者を加えても良いと思いますが。

 

戦時中の政権は、敗戦することが明らかであったにも関わらず、連合国側の攻撃が日本本土に及ぶことを少しでも遅らせようと懸命だった。そのため、失わなくても良い無数の命が奪われていった。やがてドイツが降伏し、日本は世界中で孤立し、勝てる見込みなど全くなくなってしまったにも関わらず、それでも降伏しなかった。だから、広島と長崎に原爆が投下されたのです。あの戦争に、正義などどこにもなかった。

 

当時の軍事政権のメンタリティーについて、政治学者の白井聡氏は、「死に物狂いの現状維持」と表現されていたように記憶しています。

 

そして、降伏の日を迎える。すると、政権側が何をしたか。日本各地の医者と学者を集めて、広島と長崎に派遣したそうです。そして、被害の実態調査を行った。これは実態を調査するだけで、ただの一人の日本人をも救助しなかったと言われています。では、調査によって得られたデータをどうしたかと言うと、何と、GHQに差し出したというのです。我々は従順な下僕です、あなたのお役に立ちましょう、という趣旨で、GHQにこびへつらったというのです。

 

このショッキングな話は、YouTubeの番組の中で、哲学者の西谷修氏が紹介していました。西谷氏は、エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ(1530~1563)というフランス人が提唱した「自発的隷従論」を日本に紹介した人です。

 

自発的隷従・・・。どうやら、ここら辺に戦後日本人の本質がありそうな気がします。

 

さて、敗戦後ですが、日本人の戦争責任を問うため、東京裁判が開かれました。そこで、死刑の宣告を受けたのは、わずか7人です。本当は、もっと沢山の人間が罪を犯したはずだと思うのですが。

 

そして、敗戦からわずか5年後に、朝鮮戦争が勃発する。1950年、中国とソ連の支持を得た北朝鮮が、38度線を越えて韓国の領土に侵略した訳です。共産主義の台頭を怖れていたアメリカは、全力で韓国を支援した。日本に駐在していた米兵は、皆、朝鮮半島へと向かった。そして、アメリカは朝鮮戦争のために使用する武器や弾薬を日本から調達した。日本は未曽有の好景気となり、この戦争特需が戦後の復興に多大な貢献を果たした。すなわち、朝鮮戦争と共に、日本の軍需産業も復活したのです。戦時中の共犯関係が復活したとも言えます。

 

アメリカにしてみれば、この朝鮮戦争の勃発によって、日本の国土の利用価値を認識したに違いありません。日本は、ソ連や中国を牽制するために、持ってこいの場所だ。よし、ここに基地を作ろう。すなわち、アメリカの日本統治のスタンスに変化が生じた。アメリカは、そのグリップを強めたに違いない。そして、一部の日本人は、そんなアメリカに擦り寄ったのだろうと思います。この時から、日本の対米従属という姿勢が確定的になったのだろうと思います。

 

こうして、ドイツとは本質的に異なる戦後のメンタリティーというものが、日本に生まれた。朝鮮戦争による特需と米国のグリップ強化、自発的隷従・・・。歴史から学ぼうとしたドイツと、歴史から学ぶことを拒絶した日本。

 

戦時中の出来事はブラック・ボックス化し、ひたすら権力に隷従する。

 

戦後は終わったと言われて久しいのですが、そんなことはない。日本人は、未だ、敗戦という経験を乗り越えていない。

 

続く

政党の立ち位置(その6)

報道によれば、野党の候補者調整をめぐって、国民民主党自由党の協議が難航しているようです。

 

「小沢さん! 国民民主党じゃありませんよ。ここは、太郎さんに力を貸してあげてください!」

 

私は、そう願っているのですが、どうなるでしょうか。「この国の人々、お助けもうす」というのが、山本太郎さんが立ち上げた「れいわ新選組」で、私の意見に最も近い政治団体が、どうやらここなのです。しかし、いかんせん政治家は今の所、太郎さん一人しかいない。お金もないので、寄付金を募っていますが、どうなることやら。

 

さて、ここまで考えてきますと、原理が見えて来る。政治というのも、結局は文化の一形態に過ぎません。すると、政治もなかなか進歩はしませんが、進化する可能性はある。最近このブログへ来られている方々のために、進歩と進化の違いについて、振り返っておきます。

 

進歩・・・一つの方向に向かって、改良を続けること。

 

進化・・・生物の進化と同じで、様々な方向に変化し、適者が生き残る。

 

例えば、コンビニの店長になったと想像してみましょう。カップラーメンの新商品が発売になったとします。売れるかどうかは、分かりません。あなたなら、この新商品を仕入れてみますか? こういう問題だと思うのです。私なら、仕入れてみます。売れれば更に仕入れますし、売れなければ別の商品と入れ換えればいいのです。そうやって、店に並べる商品の種類を進化させていく。そういう経験を積んでいきますと、原理が見えて来る。どうやら最近の売れ筋は、こってり味のようだ。仮に、こってり味のカップラーメンがよく売れるとすれば、そのような原理が成立することになります。しかし、この原理というものも、多くの場合、仮説にしか過ぎない。若しくは、時代の流れと共に変化するものかも知れない。従って、この仮説に固執し過ぎてはいけないと思うのです。例えば、消費者の好みが変わって、こってり味から激辛ラーメンの方が売れるようになるかも知れない。仮説に固執し過ぎれば、進化を阻害することになります。

 

少しまとめてみましょう。

 

1)新しいものは、試してみた方が良い。

2)複数の事例を観察して、そこに共通する原理を発見した方が良い。

3)何故、そのような原理が成立するのか、仮説を立ててみる。

4)仮説に固執せず、更に新しい原理の発見に努める。

 

概ね、上に記したステップが、文化の進化を促進する方法ではないでしょうか。そして、政治にも同じことが言えると思うのです。

 

例えば、共産党。戦時中、日本の体制側は国家神道などと言って、右派で国家という集団スケールの中で活動していました。この時点では、同じ国家という位相で思考していた左派の共産党は、国家権力と真っ向から対立していた。戦後もしばらくは、そういう状況が続いたと思うのです。そのような厳しい社会情勢の中で、平和を主張した共産党の方々には、頭が下がります。

 

今日におきましても、決してブレることなく、政権側の悪事を追及する共産党の活躍には、目を見張るものがあります。よく勉強されているし、論理的だし、真面目な方々が多いと思います。

 

しかし、共産主義というのは、いかがなものでしょうか。そもそも、共産主義国家において、自由は保障されるのでしょうか。共産主義と民主主義は両立するのでしょうか。この点、私は強い疑問を持っています。例えば、志井委員長は、もう19年もの間、現在の役職についておられる。本当に、党内民主主義は確立されているのでしょうか。

 

神も、仮説にしか過ぎません。同様に、共産主義というのも仮説にしか過ぎない。もっと良い考え方が、あるかも知れない。進化を止めてはいけない、と私は思います。余計なお世話だと言われれば、それまでですが。

 

思うに、政治に関わるメンタリティーの比率というものがあって、概ね次のような構成になっているのではないでしょうか。

 

右派・・・・35%

左派・・・・25%

無関心・・・40%

 

更に、現状維持を望む右派は1つにまとまり易く、変革を望む左派は分裂し易い。そこで、野党共闘という問題が生じる。この野党共闘が進まないのは、立憲民主党が悪いというのが、概ねの世評かと思います。しかし、共産党がもし、党の綱領なり党名を変更して、共産主義から脱却したとするならば、野党共闘が一気に進む可能性がある。それどころか、共産党が一気に野党第一党に躍進する可能性だってある。

 

共産党がそのような決心を固めない限り、日本に2大政党制は生まれないような気がするのですが、小沢一郎さん、いかがでしょうか?

 

続く

政党の立ち位置(その5)

前回の話をもう少し、整理してみましょう。

 

金融機関や中央政府を除く経済主体が保有する通貨残高のことをマネーストックと言うそうです。結局、このマネーストックを増やせば、金利の低下、円安圧力が生じ、マネーストックを減らせば、金利の上昇、円高圧力が生まれるということだと思います。マネーストックの量について、個々のケースで考えてみましょう。

 

ケースA; 政府が国債を発行し、銀行がこれを購入する → 銀行の持つ資金量は減少するので、マネーストックに対しても、減少圧力が生ずる。

 

ケースB; 銀行の持つ国債を日銀が購入する(買いオペ) → 銀行の持つ資金量が増加するので、マネーストックに対しても、増加圧力が生ずる。

 

結局、ケースAとケースBをセットで実施した場合、減少した上で増加するので、マネーストックに変動はないことになります。

 

そうではなくて、既存の国債に対し、これを大量に日銀が購入したのが、異次元の金融緩和と呼ばれる昨今の金融政策(買いオペ)だった訳です。銀行には、まだ保有国債が残っているので、買いオペによる更なる金融緩和の余地は残っているものと思われますが、問題の本質は、そこではない。

 

異次元の金融緩和政策の出口戦略がない、というのが最大の問題ではないでしょうか。1つには、資金を低利で調達し、高利で貸し出し、利ざやを稼ぐというのが銀行のメインの収益獲得手段の訳ですが、これだけ金利が下がると、銀行は利益をあげることが困難となっており、相当、疲弊しているものと思われます。更に、理論的にはいずれ銀行の保有する国債も底を突く訳で、どこかの時点で金融緩和政策には限界が来る。しかし、これを止めると金利が上昇に転じ、円高傾向となり、輸出企業の業績は下がり、株価も下落する。外資はそのタイミングを見ていて、株の空売りを仕掛けてくるに違いありません。では、どうすれば良いのか。この出口戦略について、名案があったら教えて欲しいと公言している専門家もいます。

 

問題は更に複雑で、安倍政権に肩入れしている日銀が、株価を上昇させるために自ら株式を購入していると言うのです。そんなことをしている中央銀行というのは、世界中で日銀だけではないか、という説もあります。資本主義国家において、中央銀行が民間企業の株式を保有するというのは、どういうことなのか。ある日、ある民間企業の株主総会に日銀の職員が登場する。想像したくもありませんが、そんなことになった場合、その民間企業のコーポレート・ガバナンスに悪影響が及ぶリスクがある。

 

厚生年金の資金を運用している団体はGPIFという所だったと記憶していますが、ここも株式に投資をしていて、昨年1年間で14兆円の損失があったそうです。これはもう、他人事ではありません。私の年金は大丈夫なのか!?

 

実体経済の方に目を向けても、明るい話はありません。今、このブログを見ているあなたの端末は、日本製でしょうか? IT技術については、アメリカの企業に加え、中国のファーウェイ、韓国のサムソンなどが先端を走っており、これらに対抗できる日本企業は最早、存在しないと言われています。金融がダメ、電機がダメ、日本企業で世界の舞台に通用するのは、自動車位ではないか、とも言われています。トヨタやホンダには、本当に頑張って欲しい。カルロス・ゴーンの日産は、フランス資本ですし・・・。

 

安倍政権が採用してきた異次元の金融緩和政策、このまま何事も起こらずソフトランディング出来ればいいのですが、資本主義経済においては、周期的にバブルが崩壊する。そして、グローバル化が進んでいる今日において、バブルの崩壊は世界規模で発生する。リーマンショックがそうでした。バブルが崩壊した場合、通常は金利を下げて対応する訳ですが、日本経済においては、金利を下げる余地があまり残っていないのです。

 

話は戻りますが、「日本は借金大国だ」とか「プライマリー・バランスを黒字化させなければいけない」というような話、最近は聞かなくなってきたような気がするのですが、いかがでしょうか。ネット上では、前回の原稿から述べてきました「政府の日銀に対する借金は返さなくて良い」という説の方が、優勢になっているような気がします。

 

やはり、GDPの6割を占めると言われる個人消費を喚起する必要がある。そして、プライマリー・バランスのことは気にせず、ここは政府が公共事業などに積極的に取り組むべきだと思います。加えて、企業の国際競争力を引き上げていく。そういう施策が必要だと思います。万が一、政府が消費税を引き下げたとしても、そこから生まれたお金で、みんなが外国製品を買っているようでは、元も子もないと思うのです。

 

続く

政党の立ち位置(その4)

今回は、消費税について考えてみます。

 

そもそも、日本国にお金はないのでしょうか。子や孫の代まで借金を先送りしてはならないとか、赤ん坊まで含めて日本の国民一人当たり800万円の借金があるとか、そういう話というのは、まことしやかに流布されてきました。このままだと、日本の国債が暴落するなんてことを言う人もいます。

 

まず、標準的な状態を考えてみましょう。政府は、国民や企業から税金を徴収して道路や橋を作っていますが、それだけでは資金が足りない場合があります。このような場合、政府は国債と呼ばれる借用書のようなものを発行し、銀行からお金を借ります。これが冒頭述べました、国の借金ということになります。国債を持っている銀行は、利子によって収益をあげることができます。政府も銀行もハッピーな訳です。

 

ところが、例えば民主党政権の時代など、円高が進行し、輸出によって儲けている大企業などの収益は低迷しました。そこで、安倍政権になると金融緩和と呼ばれる政策を実行したのです。

 

ここで、日銀が登場します。日銀は、銀行が持っていた国債を大量に買い上げるのです。銀行は持っていた国債を売る見返りとして、大量の資金を手に入れることになります。そのため、市場には潤沢な資金が流通するので、日本円の価値は相対的に下落し、為替は円安に振れます。円安になるので、輸出を行っている大企業の業績は、向上します。大企業の業績が向上すると、下請け企業が潤ったり、従業員の賃金も上がるはずだった。これをトリクルダウンと言いますが、実際にはそうなりませんでした。昨今の統計不正問題で明らかになりましたが、労働者の実質賃金は下がっているのです。何故かと言うと、消費が冷え込んでいるため、企業は先行きに不安を抱えており、賃上げだとか、投資に資金を回せない。将来の不景気に対応するため、儲けたお金は手元に置いておこうということになります。これが、内部留保と呼ばれるものですね。

 

困った安倍政権は、経団連などに繰り返し賃上げを要請しましたが、企業経営者は、賃上げに応じません。

 

そこで安倍政権が目をつけたのは、金利です。保有していた国債を日銀に売却した銀行には、大量の資金が流れますが、その大半は日銀の当座預金口座に積まれることになります。銀行が日銀に預金を預けているということです。この当座預金口座に積まれているお金に対し、通常は利子がつきます。しかし安倍政権は、マイナス金利を導入した。日銀に預けている銀行の預金というのは、ほおっておくと目減りするという事態が生じたのです。

 

安倍政権が取った金融緩和政策によって、最大の被害を被ったのは、銀行ではないでしょうか。利益をあげるためには、融資をする必要がありますが、借り手が見つからない。見つかったとしても、低金利なので、大して利ざやを稼ぐことができない。そこで、銀行はハイリスク・ハイリターンの金融取引に手を出さざるを得ない。一部の大手銀行では、既にそのような取引で多額の損失を計上しています。疲弊した中小の銀行では、リストラ策として、更なる合併が検討されています。

 

どうすればいいのでしょうか。簡単です。個人消費を上げるための施策を打てばいいのです。政府が公共投資を行うというのも、一つの手段ですが、最も速効性があるのは、消費税の減税です。

 

どこにそんなお金があるんだ、日本は借金大国ではないのか、という声が聞こえてきそうですね。でも、お金はあるのです。

 

少し話を戻しましょう。政府は国債を発行する。これは銀行を経由して、日銀が買い取っています。すなわち、国債の流れというのは・・・

 

政府 → 銀行 → 日銀

 

そして、資金の流れは反対ですので・・・

 

日銀 → 銀行 → 政府

 

ということになります。結局のところ、債務者は政府で、債権者は日銀ということになるのです。では、政府の日銀に対する借金というのは、返済しなければいけないのか。という大問題に行き着くことになります。例えば、100億円の国債が満期日になったとしましょう。仮に日本政府にこれを返済する資金がなかったとしましょう。そうであれば、政府は新たに100億円の国債を発行すれば良いのです。他にも、手段はあるはずです。結局の所、政府の日銀に対する借金というのは、返さなくたっていいのです。

 

この返済しなくても良い日銀に対する借金を除外して考えた場合、政府の財務状況は極めて健全なのです。これは私が勝手に述べている説ではなく、多くの経済学者が、主張している説です。(但し、反対の説を唱えている経済学者もいます。)

 

外資が日本の国債を売りあびせてきたらどうするのか、日本の国債は暴落するのではないか、という話もありますが、その時は日銀が全部買い取ればいいのです。

 

ギリシャのように破綻するのでは、という声もありますが、ギリシャはユーロで借金をしていた。だから、返済できなかったのです。日本の上記の事情とは全く異なります。

 

結局、国債に基づく金融政策というのは、市場における資金量を調節する役割を担っている。デフレになれば、資金量を増やす。インフレを抑制するためには、資金量を減らす。本来は、良くできたシステムなのでしょう。但し、自ずと限界がある訳です。1つには、日本の経済状況が過度なインフレに転じた場合です。また、銀行が保有している国債の量にも限度があると思うのです。新たに国債を発行して、これを銀行、日銀と回していっても、肝心の銀行にしてみれば、政府から買った国債を日銀に売却するだけで、市場における資金量に影響はないからです。既に存在する国債を日銀が購入するから、市場の資金量が増加するのです。この点、あるエコノミストは、まだ2~3千兆円の余力があると言っていました。

 

なお、日本は借金大国なんだ、という説を流布してきたのは誰かと言うと、それは財務省だと言われています。政府は税金を集める。集めた税金をどの省庁にいくら分配するのか、その権限を持っているのが財務省だそうです。従って、自らの権限を維持、強化するために、財務省は常に増税路線を主張する。

 

このように考えますと、消費税をとりあえずは5%に減税せよという「れいわ新選組」の主張には道理がある。一方、8%の据え置きを主張している立憲民主党は、財務省に遠慮していると言わざるを得ない。

 

それにしても消費税、どうなるのでしょうか。10%に引き上げた場合、日本の景気は急落する。3回目の増税延期を決めた場合、財務省は政権に反旗を翻すかも知れません。(安倍政権 + 経産省) 対 財務省 の戦いが水面下で繰り広げられているのだろうと思います。

 

続く

政党の立ち位置(その3)

先にお示し致しました一覧表に記載されていない政党もあります。小沢一郎氏が率いる自由党もその1つです。自由党の立ち位置というのは、左派ではありますが、とても柔軟性に富んでいる。今回の国民民主党との合流話においても、原則として政策については、国民民主党のものを自由党が丸飲みすることになっている。結局、自由党の主張の根幹というのは、2大政党制を目指すということで、小異を捨て、大同につこうということだと思います。

 

そもそも、2大政党制を目標として小選挙区制を導入したのは、小沢氏だと言われている。「政権交代が起こらないのでは、民主主義とは言えない」というのが小沢氏の弁であり、それは確かにそうだと思います。実際、過去に2回生じた政権交代の立役者は、小沢氏だった。しかし、いずれの場合も、結局、自民党政権に戻り、今日の状況がある。

 

小沢氏には、小選挙区制を導入した責任がある。そのことを小沢氏は強く自覚しているので、何とか3回目の政権交代を果たして、日本の民主主義を一歩前進させたいとの思いから、高齢であるにも関わらず、未だに第一線で頑張っているに違いありません。

 

小沢氏は、まず、立憲民主党の枝野氏に接近した。野党で大きな塊を作ろう、2大政党制を目指そう、その旗振りを立憲民主党にお願いしたい。小沢氏がそう働き掛けたであろうことは、想像にかたくない。枝野氏も悩んだに違いありません。しかし、枝野氏は結局、首を縦には振らなかった。

 

せっかく個人を指示母体とする新しい政党を立ち上げ、成功しつつあった枝野氏にしてみれば、旧同盟系の労組を支持基盤に置く国民民主党は、いかにも旧態依然としている。そんなところと合体してしまっては、元の木阿弥でだ。枝野氏の主張は一貫していて、政党間の合従連衡には応じない、但し、立憲の政策に賛同する個人には門戸を開く。枝野氏は、自立した個人を支持基盤に置こうとしているのであって、同じ原則を立憲民主党の議員にも求めているのだと思います。

 

そんな枝野氏に対して、小沢氏が何をどう持ちかけたのかは、分かりません。ただ、結果として二人の交渉は決裂した。次善の策として、小沢氏は国民民主党との合併話に乗ることにした。「小沢さん、それは違うだろう、今度ばかりは、あなたの判断は間違っている!」というのが、私の印象です。そんなことをすれば、野党はさらに分裂し、2大政党制は更に遠のいてしまう。

 

ご案内の通り、国由合併話はなかなか進展せず、今月末を期限とし、それまでにまとまらなかった場合、この話はご破算となります。

 

そもそも、右か左かも分からない国民民主党に、存在意義はあるのか。最近、菅元首相が国民民主党に対し解党することを進言し、国民側が激怒したとの報道がありますが、私は、菅元首相と同じ意見です。そもそも、労働組合が何故、政治に首を突っ込むのか。労働組合は、企業経営者と向き合い、賃上げ交渉をやっていれば良いのではないか。

 

そんな状況下にあって、山本太郎氏が「れいわ新選組」なる政治団体の旗揚げを宣言した! 凄いですね、面白くなってきました。冗談ではありません。これは真面目です。

 

私は、YouTubeで山本氏の会見を見ましたが、どうやらこの話には、深い事情がありそうだと思うのです。山本氏は、民由合併の如何に関わらず、「れいわ新選組」を立ち上げると言っている。これに対して、小沢氏は慰留をしなかったものの、自由党に対する離党届けの提出は、民由合併の結論が出てからにしろと言っていて、山本氏もこれを了承している。

 

ここから先は、私の推測です。

 

山本氏は、小沢氏のことを影では「親方」と呼んで、慕ってきた。高齢の親方が、2大政党制の実現に向けて、最後の力を振り絞っている。しかし、原発即ゼロを主張している自分がいては、民由合併に支障をきたすに違いない。ここは、自分が離党すべきだ。山本氏は、そう考えたのではないか。

 

これに対して小沢氏は、既に立憲との協議は破綻している。民由合併の話がご破算になった場合、当面、小沢氏に打つ手はなくなる。してみると、小沢氏は一歩引いて、山本氏が立ち上げる「れいわ新選組」の応援に回る、という可能性はないだろうか。

 

ベストシナリオは、こうです。国民民主党自由党の合併話が、決裂する。小沢氏は自由党の代表を辞任する。そして、自由党が「れいわ新選組」と改称し、来るべき選挙にのぞむ。

 

あくまでも、私の希望的推測ではあります。

 

さて、「れいわ新選組」の立ち位置ですが、こちらも自立した個人を支持基盤として想定しています。よって、立ち位置としては、立憲民主党と同じです。では、両党の違いは何かと言うと、それは経済政策、とりわけ消費税に対する考え方の相違のみ、だと思われます。山本氏は、消費税は廃止、少なくとも5%への減税を主張し、枝野氏は8%への据え置きを主張しています。実は、この差は大きいのです。

 

続く