文化認識論

(世界を記述する。Since Oct. 2019)

文化認識論(その16) 積み残したいくつかの論点

起承転結を意識して、それなりの分量で記述したいと思うことと、そこまではいかない小さな論点というものがあるようです。しかし、この小さな論点の中にも重要な問題が含まれている場合があるように思います。今回は、現時点で積み残しとなっているいくつか…

文化認識論(その15) 私たちに残された時間

結論から言いますと、私たちに残された時間は、あと18年です。これは、私が主張していることではなくて、アメリカの政治学者であるイングルハートが「文化的進化論」(文献1)という本の中で述べているのです。文献1には「あと20年」と記されていますが、…

文化認識論(その14) オルテガと三島由紀夫

調べてみますとオルテガ(1883 - 1955)と三島由紀夫(1925 - 1970)が生きた時代は、30年程重複しています。そして、どちらも近代に身を置きながら、中世的な文化に注目し、来るべき現代を見据えていた。その点に注目するならば、この二人には共通点がある…

文化認識論(その13) オルテガ/大衆の反逆

久しぶりに読みごたえのある本に出会いました。それはスペインの哲学者オルテガ(1883-1955)の著書、「大衆の反逆」です。(以下「本文献」と言います。詳細は末尾) 本文献の執筆は1930年なので、第一次世界大戦が終わり、第二次世界大戦が始まる前という…

憲法に異議あり!

最初に述べておく必要があると思うのですが、私は、日本国憲法がとても好きです。特に、その第12条を肝に銘じております。 第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。 素晴らしいじゃありま…

民主的で強い国

来年の4月には、日米FTA第2段階の交渉が始まります。フルパッケージで日米FTAが締結されると、すなわち、ISDS条項や為替条項を含む条約が締結されると、この国に生きる普通の人々が、生きていくことさえ困難な時代がやって来る。農薬まみれや遺伝子組み換え…

右翼と左翼とトリックスター

経済学者の松尾匡氏が、その著書(文献1)の中で、次のように述べておられました。 - 世の中を「タテ」方向に切って、「ウチ」と「ソト」に分け、「ウチ」に味方するのが「右翼」で、世の中を「ヨコ」方向に切って「上」と「下」に分け、「下」に味方する…

日米FTAは、日本支配の最終段階

ちょっと、ここまでの話を整理してみましょう。 グローバリズムというのは、次の権力構造にある。 国際金融資本 - アメリカ政府 - 自民党(清和会)・官僚組織 アメリカ政府が何故、日本政府に対して強く出られるかと言うと、次の項目を挙げることができま…

日米FTAは終わる。私たちが望めば

この原稿のタイトルって、ジョン・レノンの“War is over, if you want it”のパクリではないかと思った人、その通りです。 FTA is over, if we want it! しかし、これは単なる私の個人的な願望ではありません。日米貿易協定の原文、第10条にそう書いてあるの…

日米FTA 野党は何故、戦わないのか

日米FTAのリスクを端的に表現する標語を作ってはどうか。そう思って、考えました。 FTA 病気になったら ホームレス 実際、アメリカには55万人のホームレスがいるそうです。例えば、1千万円程度の年収がある人でも、大病を患うとホームレスに転落してしまう。…

日米FTA 日本の民主主義が消える

当初の予定通り11月19日、日米貿易協定(牛肉、豚肉)と日米デジタル貿易協定が、衆議院本会議で可決されてしまいました。これはもう、参議院で否決をしようが、採決を拒否しようが、憲法60条、61条に基づく30日ルールによって、12月19日頃には日本の国内手…

ヒーローの条件

現代に生きる私たちは、社会的な課題や心の問題を抱えています。これらを解決するためのヒントは、古代の文化にあるのではないか。そう思って、このブログでは、主に古代の文化を研究してまいりました。 古代とはいつ頃の時代を指して言うのかという問題もあ…

日米貿易協定 恐怖の第2段階(日米FTA)

前回の原稿では、日米貿易協定の第1段階について考えてみました。こちらは、既に11月15日の衆議院外務委員会にて可決されました。反対の意見表明を行った共産党の穀田議員の発言を聞きますと、私が前回の原稿に記したこととほぼ同じ内容で、少しびっくりしま…

日米貿易協定 2段階方式の仕組み

日米貿易協定の国会審議等を巡り、ツイッター上で様々な論議が展開されています。私自身、大変不安を感じておりますので、少し、概略を調べてみました。取り急ぎ、その結果を報告致します。 まずご理解いただきたいのは、日米貿易協定というのは、かなり大き…

反グローバリズムのススメ

日本の政治はとても複雑です。1つには、敗戦という歴史的な背景がある。更に、権力を持っている者が愚民化政策を進め、巧妙な支配システムを構築している。平気で嘘を付く政治家は、枚挙にいとまがない。最近、「嘘つきは東京オリンピックの始まり」と言う…

文化認識論(その12) 心の中身

<認識方法の変遷>1. 真似る・・・観察、関係性、自然記号2. 融即律・・・想像力、関係性3. 介在原理・・・想像力、概念、関係性4. 物語的思考・・・想像力、概念、因果関係、話し言葉5. 論理的思考・・・観察、想像力、概念、因果関係、文字6.…

文化領域論(その11) 芸術的認識と記号分解

<認識方法の変遷>1. 真似る・・・観察、関係性、自然記号2. 融即律・・・想像力、関係性3. 介在原理・・・想像力、概念、関係性4. 物語的思考・・・想像力、概念、因果関係、話し言葉5. 論理的思考・・・観察、想像力、概念、因果関係、文字6.…

文化認識論(その10) “序列依存”という心の貧困

<認識方法の変遷>1. 真似る・・・観察、関係性、自然記号2. 融即律・・・想像力、関係性3. 介在原理・・・想像力、概念、関係性4. 物語的思考・・・想像力、概念、因果関係、話し言葉5. 論理的思考・・・観察、想像力、概念、因果関係、文字6.…

文化認識論(その9) 関係性と想像力

前回の原稿の末尾に掲載しました一覧を、以下に再掲致します。 1. 真似る・・・観察、関係性、自然記号2. 融即律・・・想像力、関係性3. 介在原理・・・想像力、概念、関係性4. 物語的思考・・・想像力、概念、因果関係、話し言葉5. 論理的思考・…

文化認識論(その8) 認識方法の変遷

思えば、文字を持たない文化なり信仰においては、どうすべきか、どうあるべきか、ということに関する主張、すなわち教義は存在しないのではないでしょうか。シャーマニズムやアフリカのヴードゥー、日本古来の神道や修験道も同じだと思います。教義というの…

文化認識論(その7) 介在原理と記号分解

かつて、アイヌの人々が行っていたであろう可能性が指摘されている呪術的仮装舞踊劇。これはアイヌのみならず、シャーマニズムの世界において、広く、実施されていたに違いないと思います。参考動画を以下に添付します。この動画の素性はよく分かりませんが…

文化認識論(その6) ムックリとJaw Harp

アイヌの伝統的な楽器にムックリというのがありますが、とても不思議な音がします。竹でできたリードのようなものがあって、それを口に当てて、先端を紐で引っ張る。すると、ビロンビロンという音がなる訳ですが、実はこの楽器、もっと奥が深いようです。以…

文化認識論(その5) シャーマニズムと介在原理

少し、整理をしましょう。 AとBという2項対立があって、そこに介在(者)Cが登場する。CによってAとBの対立関係は緩和され、フラットな関係となる。やがてCを通じて、AとBが調和し、融合する。 A×BA-C-BA= C=B まず私は、このようなパターンをアイヌの民…

文化認識論(その4) 信仰の対象とその変遷

アイヌの人々は、カムイは雲の上かどこかに住んでいると考えたようです。そして、本来、カムイは人間と同じような姿形をしていると思っていた。そしてカムイは、人間の世界にやって来る時には、動物に変身する。 例えば狩猟において、熊を殺す。するとアイヌ…

文化認識論(その3) 神のユーカラ

少し前の原稿で、知里幸惠さんのことに触れました。彼女は、言語学者の金田一京介氏に見出され、アイヌの神話を日本語に翻訳しました。その作業の完成直後、儚くも持病の心臓疾患により19才で夭逝した。しかし、彼女の努力は「アイヌ神謡集」に結実した。気…

文化認識論(その2) アイヌ文化を支えた2項対立

先の原稿に記しました“物語的思考”のパターンを記号式によって表現することができるのではないか、などと思ったりします。では、記号を定義してみましょう。 × ・・・ 対立関係を示す。- ・・・ 互いに認識し合うフラットな関係を示す。= ・・・ 統合され…

文化認識論(その1) アイヌ絵本 和人になった兄

このブログのタイトルは、文化の誕生、文化で遊ぶ、文化領域論と変遷して来ましたが、今日から、文化認識論に変更致します。 まず、以下にリンク先を貼付致しますYouTubeのアイヌ民話をご覧いただきたく、宜しくお願い致します。これは本ブログの9月14日の記…

文化認識論(はじめに)

今回より、新たなシリーズ原稿として「文化認識論」を始めることにしました。このブログでは、「文化とは何か」ということを考え続けて来た訳ですが、どうも人間は文化を動かす原動力のようなものを持っている。それは“知的な本能”とも呼べるようなもので、…

新説 音楽の3要素

中学生の頃、音楽の3要素というものを習いました。すなわち・・・ 1. メロディー2. 和音3. リズム しかし、上記の考え方は穢れたヨーロッパ文化の押し売りでしかない、と思うのです。本質を覆い隠した、虚言であると私は思います。上記の3項目とは、す…

ロシアの女性シャーマン

動物の鳴き声や動作を真似たのが、音楽や踊りの起源である。例えば、今も静岡県には子供たちが鹿の格好をして踊る“鹿踊り”があり、アイヌ文化には“水鳥の踊り”や“鶴の舞い”がある。これは私が立てた仮説だが、以下の動画を見て、確信に変わりつつある。世界…