文化領域論

(No.196 ~ No.228)

沖縄について思う

12月14日、沖縄の辺野古に土砂が投入されました。ショッキングなニュースで、憤りを感じると共に、悲しく感じたのは、私だけではなかったものと思います。そこで今回は、少し沖縄について考えてみることにしました。まずは、歴史から。 かつて、沖縄本島とそ…

No. 233 憲法パトリオティズム

今更ながら、私は、ほとほと人間が嫌になってしまったのです。競争系のメンタリティを持った序列主義者たち。彼らは、自らの序列を上げるために、格上の者のご機嫌ばかりを伺う。ヒラメ、太鼓持ち、茶坊主、風見鶏。こういった人たちを揶揄する言葉は、枚挙…

パリの反乱者たち

昨日の未明、入管法の改正案が参院で可決されてしまいました。私は、この法案に反対でした。主な理由は、次の3点です。 第1に、外国人労働者が増えれば、日本人労働者の賃金が低下する。政府は、そんなことはないと言っているようですが、需要と供給の関係…

No. 232 集団スケールと憲法

前回の原稿で、「私がここまで勉強した範囲では、平和主義にはあまり長い歴史がなく、第2次世界大戦後に出てきた考えた方ではないか」という趣旨のことを書いてしまいましたが、正確なことが分かりましたので、訂正させていただきます。文献1に、「早くは17…

No. 231 憲法の構成要素(その2)

立憲主義の歴史的な変遷について、文献1は次のように説明しています。 1.絶対王政・・・立憲主義が存在しない状態。 2.制限君主制(=立憲君主制)・・・国王が参加する議会が、立法権を持つ。 3.二元型議員内閣制(18世紀末頃の欧州)・・・国王と議…

No. 230 憲法の構成要素(その1)

そもそも私の疑問は、例えば“絶対王政”と呼ばれる独裁国家が、どのように変遷して今日の日本のような“民主国家”へと変容したのか、ということです。 まず、国家とは何かという問題が生じます。一般に「領土、国民、統治権(主権)が国家の三要素」であると言…

No. 229 憲法の声を聴け

文化領域論に関する公式原稿(通し番号付き)をアップしてから、2か月以上が経過してしまいましたが、勇気を出して(?)、このブログを再開することに致します。 その間も文化領域論については考えておりましたが、特に「文化とメンタリティの領域図」につ…

文化とメンタリティの領域図(Version 2)

寒くなってきましたが、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。 思えば、明日は文化の日。だから、という訳ではありませんが、表題の図を作成してみました。内情を申し上げますと、まず、このブログにはテキストデータと写真しか掲載できません。…

文化領域論の「目次」を作成しました

2018年6月 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 196 目 次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 197 第1章: 文化が誕生するプロセス ・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 198 1.記…

憲法改正はいつなのか

一昨日吹き荒れた台風24号の影響か、埼玉県内にある私の自宅周辺では、突然、カラスやハトの姿を見かけなくなりました。暴風に吹き飛ばされてしまったのでしょうか。 さて、文化領域論におきましては、いくつかのメッセージがありました。1つには、自らの環…

No. 228 文化領域論 あとがき

文化領域論をお読みいただきました皆様、どうも有り難うございました。前回の原稿をもちまして、完了と致します。こんな面倒なことを何故、始めてしまったのか、途中、何度も後悔しましたが、なんとかゴールすることができました。 ここに記載しましたことは…

No. 227 第15章: 芸術の「その後」(その2)

小説の種類も相当ありますが、ここではまず純文学を想像系、身体系、記号系の3種類に分類して検討します。 (敬称略) 文学の世界も他の文化と同じように、基本的には神話などの「宗教的な虚構」に始まり、段階を経て「論理的現実」に向かった。その主流を…

No. 226 第15章: 芸術の「その後」(その1)

歴史的な観点から、文化を考えますと、総合的な文化としての宗教がありますが、宗教と密接な関係を持ちつつ発展してきた芸術、すなわち音楽(身体系)、美術(物質系)、文学(想像系)があります。その経緯につきましては既に述べましたので、その後、すな…

No. 225 第14章: 原理の発見(その2)

3.概念 まず、現象なり事実を発見する。そして、想像力を働かせ、時間の流れに沿って因果関係を考える。そして、多くの事例を見ていると、いくつか共通する事項が発見され、概念が生まれる。チェックポイントと言って良いかも知れません。 例えば、私たち…

No. 224 第14章: 原理の発見(その1)

この「文化領域論」も、いよいよ最終的な段階に入りました。本章におきましては、未だ検討が不十分であると感じておりました「想像系」について、記載することに致します。 さて、記号学のパースは、科学的な発見には2種類あると述べています。1つ目は「○○…

No. 223 第13章: ポピュラー音楽の潮流(その3)

5.プリンス 考えれば考える程、前回の原稿に記しました“黒人教会”というのは、優れた社会システムだと思うのです。男でも女でも、大人も子供も、参加できる。学歴だとか会社における役職など、そこでは何の意味も持たない。おまけに、悪魔や魔術に関する楽…

No. 222 第13章: ポピュラー音楽の潮流(その2)

3.ジャズ 1900年代に、ジャズはニューオーリンズで生まれた。白人の楽団が、壊れた楽器を廃棄したところ、黒人たちがこれを拾って遊び始めた。やがて、見かねた白人が、黒人たちに楽譜の読み方を教えたとも言われています。 ニューオーリンズのジャズは、…

No. 221 第13章: ポピュラー音楽の潮流(その1)

文化は伝播し、融合することによって進化しますが、それがどのようなステップによるのか。この点を考えるには、音楽、特に人々の人気をビビッドに反映するポピュラー音楽を中心に考えると、分かり易いと思うのです。 この分野においては、世界中で、日々無数…

No. 220 第12章: 原始宗教と経典を持つ宗教

特に、狩猟採集を生業としていた時代(古代)と、農耕・牧畜を生業としていた時代(中世)の文化を語る上で、宗教の問題を避けて通る訳にはいきません。これらの時代において宗教は、いくつかの文化領域に関連を持たせ、それらの進化を促してきた経緯があり…

ガボンの木彫り人形

ゴーギャンに影響を与えたと言われているペルーの古代陶器。石ころやブロンズ像。そんなものに興味を持ち始めた私は、何とか、触れることのできる物を手元に置いておきたい。そう切に願うようになったのでした。 すると、毎日のようにクルマで走っている道す…

No. 219 第11章: 現在事実、記号、そして情報(その3)

思うに法律学というのは、過去の事実を見ている。例えば、殺人という事実が発生する。そんなことをしてはいけないということで、法律が作られ、殺人罪が規定される。かつて、そんな罪人はみんな死刑にしてしまえ、という考え方もあったのでしょうが、殺人事…

No. 218 第11章: 現在事実、記号、そして情報(その2)

人々の興味の対象は、過去の経験から、現在の事実へと移行している。このことは何を意味しているのか。一つには、科学技術が発達し、現在の事実を知ることができるようになった、ということがある。江戸時代には瓦版というのがあったそうですが、印刷技術が…

No. 217 第11章: 現在事実、記号、そして情報(その1)

文化領域論につきましては、当初から目次を公表し、第10章までは目次通りに掲載してまいりました。しかし、目次を作成してからそれなりの時間が経過し、私の心変わりも生じております。悩ましい所ではありますが、当初の目次通りに進めるより、少しでも充実…

No. 216 第10章: 文化総論(その2)

3.言葉と手 以前、記号系、競争系、身体系の3領域は、人間以外の動物にも共通するものだ、と述べました。すなわち、動物も記号を通じて外界を認識し、マウンティングを行い帰属集団の中で序列闘争を繰り広げ(競争系)、互いに毛繕いをするなどして親和的…

No. 215 第10章: 文化総論(その1)

1.経済の起源 本稿の第6章で“物質系”について述べましたが、その中の“機能”という項目が、やがて経済を生む。そして、“呪術”という項目が、科学につながっていく。そういう関係にあるのだろうと思うのです。項目を並べてみましょう。 <物質系>1. 機能…

ピカソの壺

あまりの暑さに、私は、心身ともに干からびてしまいました。皆様はそのようなことがないよう、どうかお気を付けください。 さて、石ころの魅力に取りつかれてしまった私ではありますが、一体、どこへ行けば拾えるのか、皆目見当がつきません。工事の資材置き…

古池や

暑中お見舞い申し上げます。 さて、今回は非公式原稿ということで、日常生活における所感を少々。 先日、バスに乗っていましたら、向かいの席に赤ん坊を抱っこした、若い母親が座っておられました。抱っこ紐というのでしょうか、母親と赤ん坊の体は、しっか…

No. 215 第9章: 心的領域論(その8)

(第9章は、前回の原稿で終了する予定でしたが、書き漏らしている事項がありましたので、本稿を追加することに致しました。それにしても、暑いですね!) 7.好奇心の射程 5つの心的な領域があって、各領域の間には壁がある。その壁をダイナミックに越え…

No. 214 第9章: 心的領域論(その7)

ゴーギャンの描く南海の孤島に生きる人々には、不思議な魅力を感じます。そして、その理由が、分かったような気がするのです。鍵は、ユングにあった。心理学者のユングと画家のゴーギャン。この2人には、共通点がある。ちなみに、ゴーギャンはユングよりも28…

No. 213 第9章: 心的領域論(その6)

6.ゴーギャン フランス人の画家のゴーギャン(Paul Gauguin, 1848-1903)が、どうも私の家に住み着いてしまったような、そんな気分です。当初は軽い気持ちで、ゴーギャンについて記載してみるつもりだったのですが、彼の作品や人生と向き合っているうちに…