文化で遊ぶ

(旧タイトル:文化の誕生)

No. 162 カント以降の思想家たち

箱根の組木細工を見て物質文化の存在を確信した私は、精神文化と物質文化の中間辺りに、もう一つ文化があることを直観したのでした。そして、それは一般に表象文化と呼ばれているものではないか。そこまで来たのですが、では表象とは何か、手っ取り早く分か…

No. 162 箱根の組木細工

このブログの開始当時、私は、文化と科学を対立概念として捉えていました。「文化は科学に敗北したのか」という原稿も書いております。その後私は、言葉、呪術、祭祀、宗教などの精神文化に関する検討を終えました。そして、ぼんやりと「精神文化というのは…

No. 161 記号で読み解く日馬富士関暴行事件

前回の原稿では、文化を4つのステップで考えてみましたが、これは時間の経過をベースにした見方ですね。一方、(記号+〇〇)というのは、ただ、現在生きている文化を類型化したものです。こちらの方が、単純で分かり易いかも知れません。 ところで、将棋の…

No. 160  4つのステップで文化は説明できる?

前回までの原稿で取り上げました「文化進化論」という文献は、私と考え方が異なっておりましたが、それでも大変勉強になりました。また、文化を情報であると定義したのは、ある程度、研究対象を限定しないと科学的な検討ができない、という理由からだったも…

No. 159 文化進化論とは何か(その2)

本文献における一つの山場は、進歩と進化という点にあるようです。 まず、進歩の方から。19世紀のアメリカにルイス・ヘンリー・モーガンという人類学者がいたそうで、この人は「あらゆる人間社会が経てきた、あるいは今後経ることになる、7つの段階を提示し…

No. 158 文化進化論とは何か(その1)

前回の更新から少し間があいてしまいました。その間、私が何をしていたかと言いますと、片手にマーカーを握りしめ、例の文献を読んでいたのです。まだ、半分位しか読み終わっていないのですが・・・。例の文献とは、すなわち「文化進化論」というタイトルの…

このブログの立ち位置

然したる構想もなく、行き当たりばったりで進めてきた本ブログではありますが、振り返ってみますと、文化を通して、人間集団について考えて来たような気がします。記号論を含め、未だ決着しない問題は多くありますが、何となく一区切りということで、今回は…

No. 157 消えた実体、意味の喪失

前回の原稿で、記号論に関する検討には一区切りつけるつもりだったのですが、そうもいかないような気がしてきました。記号論の前身である言語学まで含めますと、その歴史は古代ギリシャにまで遡るようです。またソシュールの後には、チャールズ・パース(183…

No. 156 記号に関する試論

前2回の原稿(~基礎知識)では、極力私の意見は抑えて、一般に言われていることを忠実に記載したつもりです。しかし、どうもこれでは良く分からない。そこで今回は、私なりの記号についての考え方を記載させていただきます。 まず、ソシュールの理論の基礎…

No. 155 記号論の基礎知識(その2)

前回の原稿で述べましたラングについて、ソシュールは、次のように述べています。 ラングは「言語能力の社会的所産であると同時に, 個々人におけるこのような能力の行使を可能にするために社会集団によって採用された, 不可欠な慣例の総体でもある」。(文献…

No. 154 記号論の基礎知識(その1)

言葉も記号の一種なので、記号論(記号学)は、言語学を含めた学術分野の一つだと言えます。しかしこれが相当、難解なんです。その理由は、この学問が相当長い歴史を持っているにも関わらず未だに完成されていない、という点にあるように思われます。記号論…

No. 153 記号の時代としての現代

少し話が遡りますが、どうも現代人の関心事は、“記号”にあるような気がしてなりません。また、現代という時代を読み解くために、私は便宜上、“中間文化”という概念を提示させていただきました。これは、精神文化と物質文化の中間に位置するという意味で申し…

No. 152 こんな本があったとは!

昨日、バスに揺られながら、いつもの本屋に向かっていました。窓の外には、夕暮れ時の街並みが見えています。ラーメン屋の看板がある。自動車ディーラーのネオンが光っている。道路標識が見える。ああ、なんということでしょう。この世は、記号に充ちている!…

No. 151 記号化する若者たち

前回の原稿で、文化には精神文化、物質文化、そしてその中間に位置する中間文化があるのではないか、と述べました。(「中間文化」というのは、私がそう言っているだけで、学術用語ではありません。)このように考えますと、私たちは朝起きてから、夜、眠る…

No. 150 私たちが生きている世界

10月末は、ハロウィンということで、渋谷などは大変な人出だったようです。これは文化の類型からすれば、「6. 祭祀」に該当すると思います。ハロウィンの起源は、古代ケルト人が始めたそうです。ケルト人と言えば、紀元前から存在していた民族なので、当初は…

No. 149 "私"から、”私たち”へ(その2)

前回の原稿で、少し大江健三郎氏などに対し、批判的なことを述べましたが、若干、補足させていただきます。 文学以外のジャンルでも同じかも知れませんが、芸術家というのは、誰しも個人的な経験であったり、感性であったり、考え方などから出発するのだろう…

No. 148 ”私”から、”私たち”へ(その1)

雨の日が続きますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。今日、吉野家へ行ったところ、メニューに季節限定の「牛すき鍋膳」が追加されていました。もう、冬はすぐそこです。 さて、衆院選も終わり、少しこのブログを振り返ってみました。非公式なものを含めま…

政党の液状化が始まった

今回の衆院選を振り返ってみますと、国家観を持たない政党の液状化が始まったように思います。 まず自民党(284→284)ですが、大勝したにも関わらず高揚感は、ほとんど感じられません。相撲で言えば、気合を入れて立ち上がった瞬間、相手力士が足を滑らせて…

No. 147 憲法とは、文化の結晶である

未だホモサピエンスが言語すら持っていなかった頃、誰かが、動物の真似をしてみた。例えば、鳥のさえずりを真似てみた。その瞬間、文化の歴史が始まったに違いありません。やがて人類は、遊びながら意味を発見し、ルールを作った。ルールは言葉となり、呪術…

No. 146 対米従属と憲法9条(その4)

未だに護憲派か改憲派か、などという不毛な報道が繰り返されていますが、言うまでもなく、憲法改正に賛成と言っても、どの条文をどう変更するのかによって、その意味は全く異なります。そして緊急性があるかという問題は別にして、憲法問題の本丸は9条にあり…

No. 145 対米従属と憲法9条(その3)

1つ重要な前提条件を書き洩らしていました。それは、日米安全保障条約のことです。私は、これを否定するものではありません。昨今、この条約まで否定して、日本が核武装すべきだ、というような論議もない訳ではありませんが、私は、こういった考え方には反対…

No. 144 対米従属と憲法9条(その2)

対米従属がもたらす問題点は、以下の3点ではないでしょうか。 第1に、立憲主義の破壊という問題があります。安全保障関連法が国会で決議される際、参考人として出席した憲法学者の長谷部恭男氏、小林節氏などは明確に違憲である旨、証言しております。すなわ…

No. 143 対米従属と憲法9条(その1)

少し前の原稿で、民族が南北に分断されている韓国は悲惨な状況にあると書きましたが、“文化”という基軸で見れば、日本もそれ程、幸福な状況にある訳ではないと思います。戦後72年もたっていると言うのに、少なくとも軍事的な意味では、日本は未だにアメリカ…

No. 142 文化の構造図(Version 2)

前回までのシリーズで、重要なことが分かったように思います。各国は、それぞれ発展途上にある。“行きつ戻りつ”を繰り返しながらも、長い目で見れば、人間社会は集団を大きくする方向に向かっていて、その最終形は地球規模で共存を目指すルールであるはずだ…

No. 141 集団スケールと政治の現在(その14)

1. 個人2. 血縁集団3. 帰属集団4. 組織集団・・・・・・・・・・韓国5. 民族6. 一神教・イデオロギー・・・・中国7. 民主国家・・・・・・・・・・アメリカ8. グローバリズム 今回の衆院選につきましては、どの党がどれだけ議席数を獲得する…

No. 140 集団スケールと政治の現在(その13)

1. 個人2. 血縁集団3. 帰属集団4. 組織集団・・・・・・・・・・公明党、民進党5. 民族・・・・・・・・・・・・自民党(?)、希望の党(?)6. 一神教・イデオロギー・・・・共産党7. 民主国家・・・・・・・・・・該当なし8. グローバリ…

大義は、立憲民主党にあり

激動の衆院選ですが、やっと構図が見えてきたように思います。 安倍総理の解散理由に大義はない。追従した公明党も同じだと思います。 そして、希望の党ということになりますが、未だに明確な政策は示されていません。希望の党への入党希望者は、「政策協定…

No. 139 集団スケールと政治の現在(その12)

集団スケールの項目が出揃いましたので、これに基づいて、主要な政党について考えてみたいと思います。 1. 個人2. 血縁集団3. 帰属集団4. 組織集団・・・・・・・・・・公明党、民進党5. 民族・・・・・・・・・・・・自民党6. 一神教・イデオロ…

誤算だらけの小池新党

小池新党の民進党リベラル切りには、失望しました。思うに、一連の出来事は、次のように動いたのではないかと思います。 まず、民進党の前原氏は、民進党内部の枝野氏率いるリベラル勢力を追い出したいと思っていた。小池氏が前原氏にこう尋ねた。「私が党首…

No. 138 集団スケールと政治の現在(その11)

(集団スケール一覧)1. 個人2. 血縁集団3. 帰属集団・・・顔と名前が一致する範囲4. 組織集団・・・職業別団体、宗教団体、集票ターゲット5. 民族・・・天皇制、宗教国家6. 一神教、イデオロギー・・・キリスト教、イスラム教、共産主義7. 民主国家・・・日…