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文化で遊ぶ

(旧タイトル:文化の誕生)

お知らせ

皆さん、こんにちは! 実はこのブログ、昨日からアクセス件数が激減しております。森友学園、籠池氏の証人喚問の方に、皆様の興味が行ってしまったものと推測致しております。無理もないことです。私も、テレビの国会中継などを見ておりました。 さて、現在…

No. 86 共同体と個人(その3)

宗教国家としてのメンタリティに劇的な変化を及ぼしたのは、第二次世界大戦だったと思います。ヨーロッパでは、ナチスドイツが無数のユダヤ人を虐殺した。そして、広島と長崎に原子力爆弾が投下された訳です。この2つの出来事は、人類に衝撃を与えたに違いあ…

No. 85 共同体と個人(その2)

宗教国家が生まれる直前の日本では、豪族による武力支配と、シャーマニズムに基づく精神世界があったようです。そこで、聖徳太子(574~622)が登場します。聖徳太子に関しましては、どこからどこまでが彼の功績だったのか判然としないようですが、ここでは…

No. 84 共同体と個人(その1)

このブログのNo. 82 ~ No. 83におきまして、“プレモダンのメンタリティ”というタイトルで原稿を掲載致しました。実は、これをシリーズ化して、モダン、ポストモダンへ続けようと思っていたのですが、どうもうまく行きません。一つには、時代区分は4つにすべ…

No. 83 プレモダンのメンタリティ(その2)

No. 83 <プレモダンのメンタリティ(その2)> プレモダンについては、やはり、2つの時代区分に分けて考えた方が良いかも知れません。 ・無文字社会の時代・宗教国家の時代 双方の時代には、共通点もあります。人々の個性や自由は、尊重されなかった。しか…

No. 82 プレモダンのメンタリティ

人間の心のあり様、これはメンタリティと言っていいと思うのですが、これを3つの時代区分で考えるというアイディアは、河合俊雄氏の文献にヒントを得たものです。これが、なかなか興味深い。 <3つの時代区分>プレモダン・・・・前近代モダン・・・・・・近…

No. 81 村上春樹の「少し前の作品」を読む(その6)

当初の予定に従えば、“文体”について検討することになっていました。しかし、これは具体例を示すまでもないように思えてきました。すなわち、本件作品においては、各登場人物の何に焦点が当てられているかと言えば、服装であったり、髪型であったりする訳で…

No. 80 村上春樹の「少し前の作品」を読む(その5)

今回は、「参考資料」として、各登場人物に対する評価を掲載致します。 〇 多崎つくる(主人公)この小説のタイトルにもある通り、多崎つくるは自分に色彩、すなわち個性がないのではないかと、悩んでいる。多崎つくるは「僕は昔からいつも自分を、色彩とか…

No. 79 村上春樹の「少し前の作品」を読む(その4)

次のステップは、「登場人物の経歴と言動」を分析するということですが、前回ご紹介致しました河合俊雄の文献も参考にして、次のように作業を進めてみました。 まず、登場人物の特質を把握するために、チェック項目を抽出し、似通った項目をまとめて並べ替え…

No. 78 村上春樹の「少し前の作品」を読む(その3)

本件作品のサブのストーリー・ラインは次の通りです。 仲の良い5人のグループから絶縁されてから、1年が経過した頃、多崎つくるには灰田という男の友人ができる。やがて灰田は多崎つくるのマンションに泊まり、2人は深夜まで話し込むほど、親しくなる。ある…

No. 77 村上春樹の「少し前の作品」を読む(その2)

村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」ですが、このタイトル、長いですよね。この先は、“本件作品”と呼ばせていただきます。 さて本件作品ですが、結構な分量もあり、かつ曖昧模糊としていて、ちょっと掴みどころがありません。こういう場…

No. 76 村上春樹の「少し前の作品」を読む(その1)

インターネットのニュースを見ていたら、気になる記事が2つありました。1つは、村上春樹の新作「騎士団長殺し」が本日発売されたとのこと。たまたま、このブログで村上春樹の作品を取り上げようと思っていた矢先に、新作が発表された訳です。ここでこれか…

No. 75 雑感とブログタイトル変更のお知らせ

武田泰淳の「ひかりごけ」には、人肉喰い(カニバリズム)に対する強烈な嫌悪感という集団の無意識を背景として、全人格が否定される個人(船長)が描かれていました。今どきそんなことはない、と思われる方もおられるでしょうか。確かに、最近はカニバリズ…

No. 74 武田泰淳の「ひかりごけ」を読む(その2)

この作品を読んで、まず、読者の脳裏に強烈な印象を残すのは、第2部、すなわち洞窟のシーンではないでしょうか。登場人物が一人、また一人と死に、残った者がその肉を食べて生き延びる。言うまでもなく、人肉喰いに対する言いようのない嫌悪感というものは、…

No. 73 武田泰淳の「ひかりごけ」を読む(その1)

前回の原稿で、「異類婚姻譚」という集合的無意識を背景とした、“鶴女房”という昔話を取り上げました。その延長線上で、もう少し新しい、集合的無意識を背景とした小説について検討しようと思ったのですが、そこで思いついたのが、表題の「ひかりごけ」だっ…

No. 72 物語を解体する

先日、明け方に目が覚めてしまいました。ぼんやりしながら、少し水を飲み、ベッドに腰かけて煙草に火をつけました。何故か、「鶴の恩返し」のことを考えているのです。それに関連した夢でも見たのでしょうか。そこは、はっきりしません。結局、あの物語は何…

No. 71 小川国夫/葦の言葉(その5)

前回から引き続き、小川氏の講演内容について、検討します。 〇 講演内容/美しい葉ロシア人には共通した、言わば肉体化された観念を構成している昔話がある。「正しいとされる考え方は、人は来世の永遠の生命を信じるということなんで、特にすぐれた聖者だ…

No. 70 小川国夫/葦の言葉(その4)

私の所属していた文芸サークルが主催した小川氏の講演の原題は、「物の威力」というものでしたが、「永遠の生命」と改題され、講演集「葦の言葉」の巻頭に掲載されました。当然、当時も読みましたが、正直に言いますと、良く分からなかった。それが、今回、…

No. 69 小川国夫/葦の言葉(その3)

講演は、秋山さんが先でした。結構な人数が集まり、秋山さんって流石だなと思ったことを記憶しています。秋山さんの講演が終わると、聴衆がぞろぞろと会場を出て行ってしまい、小川氏に失礼があってはいけないと私は大変焦ったのですが、入れ替わりで、同じ…

No. 68 小川国夫/葦の言葉(その2)

ある日、文芸サークルの先輩がこう言ったのです。「昔さあ、うちのサークルで小説家の講演会を主催したことがあるんだ。早稲田祭の時なんだけど。そう言えば、君、秋山さんと面識があるんだっけ?」どことなく先輩の口調が、他人事のような感じなんです。そ…

No. 67 小川国夫/葦の言葉(その1)

小川国夫(1933~2008)という小説家をご存じでしょうか。 小川氏は、1933年に静岡県藤枝市に生まれます。小さな宿場町だった藤枝市ではありますが、1879年頃教会が創立され、フランス人の宣教師がやって来ました。そんな環境もあって小川氏は1946年頃、終戦…

No. 66 ジミ・ヘンドリックス/バンド・オブ・ジプシーズ(その3)

奇跡的と言っても過言ではない即興演奏を披露したジミとそのバンドは、その直後、1970年1月28日、今度はマジソン・スクエアー・ガーデンでコンサートを開きます。しかし、2回目の軌跡は起こりませんでした。ジミの身体的なコンディションは、最悪だったそう…

No. 65 ジミ・ヘンドリックス/バンド・オブ・ジプシーズ(その2)

ジミが率いたエクスペリエンスも、猛烈に働いたようです。当時はライヴがバンドの主たる収入源だったそうで、エクスペリエンスも多くのステージやツアーをこなしたようです。そして、御多分に洩れず、彼らもドラッグとは切っても切れない関係に陥ってしまい…

No. 64 ジミ・ヘンドリックス/バンド・オブ・ジプシーズ(その1)

このブログのジャクソン・ポロック(No. 54)のところで、絵画を描く際のオートマティスム(自動記述法)について述べましたが、音楽の世界でも即興演奏というのがあります。意識を低下させて、もしくはトランス状態に持って行って、まさしく演奏する瞬間に…

No. 63 横光利一の短編小説/時間

人間社会の息苦しさの正体は、実は個人的無意識にあるのではないでしょうか。共感を求める。それが強く作用する場合には同調圧力となる。そして、圧力を受ける人間は、息苦しさを感じる。昼間のファミレスでは、リラックスした女性たちが延々と「だからどう…

No. 62 ジェイムス・コットン/人生の王様

不思議なことに初めて聞くのに、無性に懐かしい感じのする曲ってありませんか? また、初めて行った場所でも、何故か懐かしい感じがする。そんな経験が、私にはあります。 私にとってそんな懐かしい感じのする曲の1つが、ジェイムス・コットンというブルー…

No. 61 心のメカニズム(その5)

前回の原稿で、ゴッホは“共感タイプ”で、ゴーギャンは“観念タイプ”であると書きました。ゴッホの方は、多分、皆様も納得していただけると思うのですが、ゴーギャンについて、何故、私がそのように考えるのか、ちょっと補足させていただきます。最大の理由は…

明けまして、おめでとうございます。

今年が、皆様にとって幸多き年となりますことを祈念しております。 さて、このブログもお陰様で、開設してから半年が過ぎました。途中、どうなることかと思ったこともありましたが、なんとか60の記事を掲載することができました。これもお読みいただいている…

No. 60 心のメカニズム(その4)

前回までの原稿で、人間の2つのタイプを定義しました。一つは、感覚から出発して、意識を獲得する。そして、個人的無意識を抑圧しながら、現実をあまりかえりみることなく、記号や観念の世界に埋没してしまうタイプ。このような人をこのブログでは“観念タイ…

No. 59 心のメカニズム(その3)

少し、言葉の定義が必要かも知れません。現在、私が考えているのは、思考=意識、そして感情=個人的無意識 ということになります。ここから先は、極力、意識、個人的無意識という用語に統一しましょう。 また、個人的無意識は、共感を求める作用とコンプレ…

No. 58 心のメカニズム(その2)

まず、前回掲載致しましたチャート図の概要をご説明致します。 一つの前提として、人間の心というものは、経験などの外的要因に伴って、少しずつ発達していくのではないか、ということがあります。赤ん坊の状態を考えると、まず、感覚から出発する訳です。次…

No. 57 心のメカニズム(その1)

さあ、クリスマスだ。君はどうしてる?So this is Xmas and what have you done? 我らがジョン・レノンの“Happy Xmas (War is Over)”は、このようにさり気ない歌詞から始まります。私は、クリスマスとは関係のない人生を送っていますが、例えば街の雑踏やレ…

No. 56 孤高の前衛 ージャクソン・ポロックー(その5)

ジャクソンの作品を見ていると、ああ、私にはとてもこんなことはできない、と思います。例えば”One”のような作品を見ていると、これでもかという程に、線が重ねられている。私だったら、精神的にそこまではできないというのが一つ。また、ジャクソンの生活を…

No. 55 孤高の前衛 ージャクソン・ポロックー(その4)

1950年当時のジャクソンの精神状態はどうだったでしょうか。多分、猛烈なプレッシャーと凍えるような孤独感にさいなまされていた。私には、そう思えます。 かつては、遠くの方ではあっても、ピカソの背中が見えていた。しかし、ポアリングという技法を完成さ…

No. 54 孤高の前衛 ージャクソン・ポロックー(その3)

ここまでを振り返ってみますと、ジャクソンは貧しいながらも芸術的には恵まれた環境下で10代を過ごしたことが分かります。20代になると、ニューヨークでの極貧生活が待っていた。そして、25歳から31歳まで、足掛け6年もの間、アルコール中毒の治療を受け続け…

No. 53 孤高の前衛 ージャクソン・ポロックー(その2)

ジャクソンは1912年1月28日、5人兄弟の末っ子として生まれました。一家は当時、ワイオミング州に暮らしていましたが、同年11月、カリフォルニア州のサンディエゴへ移住します。 ジャクソンの父は、野菜農園を営んでいましたが、ことごとく失敗したそうです。…

No. 52 孤高の前衛 ージャクソン・ポロックー(その1)

今から20年以上前のことだったと記憶しているのですが、年上の技術者と2人でアメリカに出張した時のことです。仕事を終えての帰り道、トランジットでニューヨークに一泊することになったのです。自由時間は数時間しかありません。また、夜には技術者の旧友と…

No. 51 ユングと集合的無意識(その3)

こうして見ていきますと、ユングの集合的無意識という概念は、分裂病患者の妄想と神話の研究成果から導き出されたことが分かります。すなわち、心理学と文化人類学が融合し、集合的無意識という概念が生み出された。 ユングのこのような考え方は、日本では河…

No. 50 ユングと集合的無意識(その2)

集合的無意識とは何か、これを理解するには、ユングの考えていた意識と無意識の構造を1つずつ見ていくのが良いと思います。 第1に、意識というものがあります。これは、我々が眠っていない時に現実を知覚する心の機能のことであろうかと思います。但し、こう…

No. 49 ユングと集合的無意識(その1)

ちょっと、大変なタイトルになってしまいました。「何それ?」という感じの方もおられるかも知れませんね。しかし、このブログでは、度々、ユングとかユング派という言葉が使われてきました。また、今後、シリーズで掲載予定のテーマ(孤高の前衛、ジャクソ…

No. 48 心の領域

ちょっと予定を変更して、立ち止まってみることにしました。 このブログのNo. 44に掲載致しました芸術メカニズムに関するチャート図なのですが、これが人間の心の領域を示す地図のように見えてきたのです。また、繰り返しにはなりますが、以下に述べますこと…

No. 47 芸術を生み出す心のメカニズム(その5)

何故か、この芸術メカニズムのチャート図を使うと、様々な文化形態の位置を特定できるような気がします。例えば、ピコ太郎のPPAPは、感覚だけ。テレビのサスペンスドラマは感覚+思考、男はつらいよ(フーテンの寅さん)は感覚+感情といった具合に。 我らが…

No. 46 芸術を生み出す心のメカニズム(その4)

〇 直 観(無意識)そして、私は夢を見たのです。夢の内容は、ちょっと小説風に書いてみます。 月明かりの綺麗な晩だった。さざ波が寄せては返す音だけが聞こえている。私は、小さな入り江の波打ち際に立っている。その時、海面を叩くような音が聞こえた。右…

No. 45 芸術を生み出す心のメカニズム(その3)

このブログのNo. 44に掲載しておりますチャート図を基に、もう少し具体的に考えてみたいと思います。恐縮ながら、今回は、私の個人的な体験について述べさせていただきます。以下、チャート図の主要項目に連動させて、記載致します。 〇 感 覚経緯については…

No. 44 芸術を生み出す心のメカニズム(その2)

先日、箱根にあるポーラ美術館へ行ってきました。豊かな自然に囲まれた素晴らしい美術館でした。ゴッホの作品も2点ありましたが、緑色が基調の絵で、ちょっとがっかりしてしまいました。やはり、ゴッホは黄色がいいですね。一方、強い印象を受けたのは、ヴラ…

No. 43 芸術を生み出す心のメカニズム(その1)

前回まで、クジラの話などを織り交ぜながら、ユングのタイプ論を中心に述べてまいりました。私としては少し軽い気持ちで原稿を書いていたのですが、ちょっと待てよ、この話には重大な問題を解くカギが隠されているのではないか、と思い始めたのです。もちろ…

No. 42 クジラと人間

唐突ではありますが、皆様は、クジラについて考えたことがあるでしょうか。ちょっと経緯があって、私はクジラがとても好きなんです。 まずは、クジラの話から始めましょう。大別すると、クジラには2種類あります。大型のクジラはヒゲジラと言って、歯があり…

No. 41 恐るべき感覚の世界

少し前の記事でボブ・ディランのノーベル賞受賞について述べましたが、どうやらディラン本人は未だ沈黙しているようですね。これに対し、ノーベル賞選考委員会のメンバーが「ディランは傲慢だ」と言ったそうですが、やはり、今回の授賞には無理があったよう…

No. 40 心の機能(感情、感覚、直観、思考)

人間関係というのは、なかなか厄介なものです。気の合う人もいれば、そうでない人もいる。意気投合したと思っていても、後になって、全く違うことを考えていたことに気づいたりすることもあります。異性とのコミュニケーションに疲れ果ててしまうこともある…