文化認識論

(世界を記述する。Since Oct. 2019)

政党の立ち位置(その15)

現在の政治的論点の主題は、少し前に掲載致しました「政党の立ち位置 一覧 Version 2」に照らして言いますと、伝統的な左右の対立(横の対立)に加え、集団スケール上の対立(縦の対立)が加わり、複雑化していると思います。ここに気がつかないと、状況を理…

政党の立ち位置(その14) 覚醒する個人

今、政治の世界も大きく変わろうとしている。むしろ、変えざるを得ない所まで、すなわち崖っぷちまで来ているように思います。結局、基本的な構造は、次の3つのステップにあると思うのです。 1)自発的に隷従するエリート、官僚、自民党 2)彼らは、説明…

政党の立ち位置(その13) 自民党

「政党の立ち位置」とのタイトルからして、戦後日本で最大の権力を誇った自民党について、検討しない訳にはいきません。また、自民党とは戦後における日本人多数派のメンタリティーを象徴しているとも言えます。 かつての自民党においては、いくつかの派閥が…

政党の立ち位置(その12) NHKから国民を守る党

反緊縮財政を掲げる左派からの運動というものも、登場していたようです。山本太郎氏の師匠のような人で、経済学者の松尾匡氏が「薔薇マークキャンペーン運動」というのを展開しておられる。概略を紹介致します。松尾氏が提言している反緊縮財政等に関わる政…

政党の立ち位置(その11) 右派からの提言

昨日、国民民主党と自由党の合併が決まってしまいました。個人的には、大変残念です。一方、山本太郎氏が立ち上げたれいわ新選組のTwitterを見ますと、4月25日現在で、寄付金の額が4,879万円に達したとのこと。頑張って欲しいと思っています。 さて、MMT…

政党の立ち位置(その10) ポスト・グローバリズム

Wikipediaには、「グローバリズムとは、地球を一つの共同体と見なして、世界の一体化を進める思想」と定義されています。一見、良さそうに思えます。しかし、人類は既にこのチャレンジに失敗している。第1次世界大戦が起こり、人類は、国際連盟を創設しまし…

政党の立ち位置(その9)

前回の原稿に記したことのポイントは、結局、自発的に隷従するエリートや支配層と、そこから必然的に導かれる愚民政策によって情報から疎外される国民という図式によって、戦時中から今日に至るまで、日本の政治が運営されてきたのではないか、ということで…

政党の立ち位置(その8)

少し前の記事で、政府の日銀に対する借金は返済する必要がない、という説を紹介しましたが、どうやらこの説を最初に唱えたのはアメリカのステファニー・ケルトンという人のようです。(ネットで検索すれば、すぐにヒットします。)また、この説は一般にModer…

政党の立ち位置(その7)

少し前の原稿で、おしどりマコさんのことを書きましたが、彼女はご主人のケンさんと共に、毎年ドイツに呼ばれるようになったそうです。そこで、原発に関する日本の状況について講演し、ドイツの学生などと交流を図っている。気になる話がありました。ドイツ…

政党の立ち位置(その6)

報道によれば、野党の候補者調整をめぐって、国民民主党と自由党の協議が難航しているようです。 「小沢さん! 国民民主党じゃありませんよ。ここは、太郎さんに力を貸してあげてください!」 私は、そう願っているのですが、どうなるでしょうか。「この国の…

政党の立ち位置(その5)

前回の話をもう少し、整理してみましょう。 金融機関や中央政府を除く経済主体が保有する通貨残高のことをマネーストックと言うそうです。結局、このマネーストックを増やせば、金利の低下、円安圧力が生じ、マネーストックを減らせば、金利の上昇、円高圧力…

政党の立ち位置(その4)

今回は、消費税について考えてみます。 そもそも、日本国にお金はないのでしょうか。子や孫の代まで借金を先送りしてはならないとか、赤ん坊まで含めて日本の国民一人当たり800万円の借金があるとか、そういう話というのは、まことしやかに流布されてきま…

政党の立ち位置(その3)

先にお示し致しました一覧表に記載されていない政党もあります。小沢一郎氏が率いる自由党もその1つです。自由党の立ち位置というのは、左派ではありますが、とても柔軟性に富んでいる。今回の国民民主党との合流話においても、原則として政策については、…

政党の立ち位置(その2)

仮に、政治家の息子と、大地主の息子と、郵便局長の息子と、漁業権を持つ漁師の息子が集まって、相談したとします。そして、政治家の息子がこう言う。 「今のままで、いいんじゃない?」 一同が賛成する、多分。何を言いたいかと言えば、既得権を持つ人たち…

政党の立ち位置(その1)

日本には沢山の政党があり、どの政党がどのような立ち位置にあるのか、分かり難い状況にあると思います。縦軸と横軸を使って4つのカテゴリーに分類して説明する例もありますが、どうも私としては納得できない。そこで、とてもシンプルな所から出発し、理論…

政党の立ち位置 一覧

ご無沙汰しております。私はなんとか、日常生活における些事を乗り越えつつあります。クルマの1年点検が終わり、昨日はエアコンの修理も終わりました。お陰様で、今夜は暖かく過ごしております。 さて、今年は7月に参議院選挙を控えておりますが、今一つ、各…

自民党の憲法改正案

ここの所、ブログの更新が滞っております。日常生活における些事に翻弄されているのがその主因ではありますが、少し考えをまとめるのに時間を要しているのも事実です。憲法とは、やはり複雑なものだと改めて感じております。 そこで、今回は比較的簡単なトピ…

No. 252 憲法の声(その19) 宗教と憲法

ホッブズは、人間の能力には大差がないから、人は皆平等だと考えました。しかし、そうでしょうか。本当は、能力に差があったとしても、人は平等なのではないか。 最近問題となっている人権侵害の事例というのは、その根源に“平等”という意識の欠如があるので…

No. 251 憲法の声(その18) 神なき時代の平等主義

“憲法の声”と称して連載しております本稿ですが、ちょっと困ったことになりました。例えば推理小説であれば、真犯人は最後に分かる。これが途中で分かってしまうと、読者の興味は消失します。本稿にも同じような事情があって、日本国憲法に込められた理念や…

No. 250 憲法の声(その17) 憲法原理の出発点

憲法の教科書を読みますと、日本国憲法には次の3大原理があると記されています。 1. 基本的人権の尊重2. 国民主権3. 平和主義 また、自由、平等、平和の3要素を挙げる例も見かけます。民主主義は国民主権と同義だとしても、立憲主義には人権保障と権力…

No. 249 憲法の声(その16) ロックの観念論

ジョン・ロックは、私たちが日常的に見たり認識したりしている物、すなわち経験的対象のことを観念であると定義づけました。そして、この経験的対象を分解していくと微小な粒子やその集合体から成り立つ“物そのもの”が存在すると考えたのです。 心 - 観念/…

No. 248 憲法の声(その15) ロックの経験論

ブログの更新、諸般の事情により、大分間が空いてしまいました。申し訳ありません。 さて、少し論点を整理しましょう。ルターとカルヴァンは、概ね、宗教論に終始していました。しかし、ホッブズから突然、複雑になる。これには、次のような事情があったよう…

No. 247 憲法の声(その14) 類似性と差異

民俗学の折口信夫氏は、人間の認識能力について、咄嗟に類似点を直観する「類化性能」と、反対に差異を認識する「別化性能」の2つがあり、古代人は類化性能によって世界を認識し、現代人は別化性能によって認識すると考えた。 古代人・・・類化性能・・・類…

No. 246 憲法の声(その13) それでも真理は存在する。

本を読んでおりましても、なかなか、すぐには分からない。しかし、いろいろ当たっておりますと、ストンと腑に落ちることがあります。 文献14によりますと、ヘーゲルは次のように考えていた。 “矛盾の発端は、「自由」でありたいという各人の欲望の本性にある…

No. 245 憲法の声(その12) 理性主義、ロックからポストモダンまで

前回に引き続き、理性主義について考えてみます。 ジョン・ロックは、次のように考えた。まず、全知全能の神がいて、神は人間だけに理性を与えた。そして、神は啓示によって人間に真理を告げる。しかし、啓示については、人間が理性によって解釈すべきである…

No. 244 憲法の声(その11) ロックの理性主義、そして立憲・民主主義の起源

イギリスは、何かとややこしい国です。英語圏では、UK(United Kingdom)と呼ばれ、日本語ではイギリスと言われる。イギリス本島の西側にアイルランド島というのがありますが、その北部はイギリス領北アイルランドで、南部がアイルランド共和国になっている…

No. 243 憲法の声(その10) ピューリタン革命

前回の原稿で、物語的思考については、認識の及ぶ範囲が狭く、それでは追いつかない程ヨーロッパ人の視野が広がったため、論理的思考方法が生まれたのではないか、ということを述べました。しかし、一方、現代人である我々は、心を癒すために物語的思考、閉…

No. 242 憲法の声(その9) ホッブズのコモン・ウェルス論

領土をめぐる紛争、カトリックとプロテスタントの戦い、魔女狩り、拷問、そして奴隷制などに揺れ動くアナーキーな社会情勢の中で、ホッブズはそれでも人々には、生きる権利があると考えた。そして、人々が生き延びるためには、人々自身が武器を捨てる必要が…

No. 241 憲法の声(その8) ホッブズの平和主義

ホッブズの思考は止まらない。前回の原稿に書いた通り、まずホッブズは、人間の体力、知力に大差はなく、人間は平等だと考えた。そして、平等だから、戦争が起こると主張する。仮にAさんが畑を耕し、農作物を収穫していたとする。しかし、人間の体力、知力に…

No. 240 憲法の声(その7) ホッブズの平等論

忘れないうちに書いておきます。歴史主義的文化人類学で分かるのは、宗教までの文化でした。これは幾度となく、このブログに書いてきたことです。そして今、私が辿ろうとしている憲法の歴史というのは、宗教以後のことです。すると、両者を足すと、人間の歴…