文化領域論

(No.196 ~ No.228)

No. 205 第6章: 物質系

1.機能 私たちの生活の主たる部分は、“物”を利用することによって、成り立っています。物の機能を引き出す。食物などは、その代表例だと思います。肉や魚が持っている栄養分を、私たちは食べることによって吸収している。そして、物に機能を付与する。ボー…

No. 204 第5章: 身体系(その2)

3.打楽器とリズム 前回の原稿を書いた頃から、すっかり“和太鼓”に魅せられてしまいました。どうやら、和太鼓というのは、大木の幹をくり抜いて作るらしい。そして、牛皮を貼る。だから、金属が醸し出す硬質な音とは違って、深みのある優しい音が生まれる。…

No. 203 第5章: 身体系(その1)

1.“身体系”文化の起源 身体系の文化は、動物を真似る所から始まった。この点は、多分、間違いないと思います。今回調べてみて、祇園だとか浅草には鳥のサギの格好をして踊るという風習のあることが分かりました。動物の姿を真似て着飾る。動物の動きを真似…

No. 202 第4章: 競争系(その2)

“競争系”のメンタリティと、“競争系”が生み出す社会的な現象について、もう少し分解してみたいと思います。 3.恐怖型 人間は、他の動物よりも、強い恐怖心を持っていると言われています。秦の始皇帝が万里の長城を作らせたのも、恐怖心に原因がありました…

No. 201 第4章: 競争系(その1)

1.競争系とは何か 現代日本に生きる私たちは、子供の頃から徹底して“競争系”のメンタリティを叩きこまれます。例えば、小学校の運動会でさえ、赤組と白組に分かれ、若しくはクラス対抗などの名目で、競い合うことになります。そして、学期末にはテストがあ…

No. 200  第3章: 記号系

1.記号の定義 記号とは何かと言うと、それは重大な哲学上の問題であり、例えばパースは記号を66種類のクラスに分類したそうです。ここではそこまで厳密に考える必要はないので、簡単に、次のように定義しておきましょう。 記号の定義・・・記号とは、音、…

No. 199 第2章: 文化を育んだ歴史的な背景

私たち人類と、人類が育んできた文化には、とても長い歴史があります。そのため、文化を育む基本的な原理があるとすれば、それはとても強固なものであることになります。他方、私たちの目に止まる文化の表層は、急速に変化している。従って、何が不変の原理…

No. 198 第1章: 文化が誕生するプロセス

まず、ある架空の事例を提示させていただきます。場所は日本で、時期は大昔という設定です。 ある日、山奥に住んでいる少年が、川沿いの小道を歩いていた。すると、バシャという水音が聞こえる。音に気付いた少年は、何だろうと訝しく思う。魚が跳ねたのかも…

No. 197 文化領域論 目次

2018年6月 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 196 目 次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 197 第1章: 文化が誕生するプロセス ・・・・・・・・・・・・・・・・・ No. 198 1.記…

No. 196 文化領域論 はじめに

記号学のパース(Charles Sanders Pierce, 1839 - 1914)は、仮説と発見の論理としてのアブダクションについて、次のように説明している。 まず、驚くべき事実が観察される。 しかし、もしある仮説が真実だったとしたら、かかる事実は当然の事柄である。 よ…

No. 195 集団幻想という考え方

ある日、イワム族の村長が「我々の祖先はバナナである」と発言しました。今後もこの村長について言及することがあれば、「バナナ村長」と呼ぶことにします。 思えば上記村長の発言も、仮説だと思うのです。では、この仮説はその後、どのような道筋を辿ったの…

初夏の昼間のひとり言

パース先生によれば、アブダクションにはいくつかの仮説を思いつくままに提起する“示唆的な段階”と、それらの仮説の中からもっとも正しいと思われる仮説を選ぶ“熟慮的な推論の段階”がある。このブログは明らかに“示唆的な段階”にある。しかし、そろそろジグ…

No. 194 パースのアブダクション

このブログを続けてお読みいただいている方には、既にパース(Charles Sanders Peirce 1839-1914)はお馴染みの登場人物となっているかも知れません。No. 164とNo. 165において「記号学のパースが面白い」という原稿を掲載させていただきました。また、その…

No. 193 この素晴らしき世界

YouTubeを立ち上げて国会中継の音声を聞きながら、パソコンの画面上では将棋を指す。これが私の暇つぶし方法だったのですが、野党が審議を拒否し、ゴールデンウィークに突入してしまいました。すなわち、国会中継がなくなってしまった。そして、将棋だけでは…

No. 192 想像から思考へ

YouTubeの動物動画を見ておりますと、現在においても、人間と動物の新たな出会いは、絶えず続いていることが分かります。典型的なパターンとしては、生まれたての動物が生命の危機に晒される。そして、人間がその動物を助ける、というものです。例えば、小鳥…

No. 191 懐かしい場所

いつの頃からか、近所のラーメン屋でパートをしている“おばさん”と言葉を交わすようになりました。ほとんどの場合、私は客で彼女はラーメン屋の店員として、二言三言会話を交わすのです。街ですれ違った折には、挨拶だけ。 1か月程前のことですが、お店のカ…

No. 190 ”共感力”という考え方

相変わらず、政治や行政の世界では理不尽な出来事が続いています。私などは、腹が立って仕方がありません。一つ言えるのは、財務省では“内部統制システム”が機能していない、ということです。また、組織のトップに立っている人間のレベルがあまりに低い。あ…

No. 189 自然と結ぶ力

今回の原稿も話が飛びそうなので、一番言いたいことを最初に記しておきます。石には、私たちの心と自然を結びつける力がある。そして、その力は私たちの心を癒す。 昔、チャーリー・ワッツ(ローリング・ストーンズのドラマー)が面白いことを言っていました…

石と文化

前回の記事に添付致しました写真についてですが、金剛峯寺のHPを確認した所、同じような写真が掲載されていました。やはり、これは高野山の金剛峯寺における庭園ということで、間違いなさそうです。 それにしても、いかがでしょうか。そこには、物と自然に関…

論理性と怒り

今、怒っている日本国民というのは、かなり多いのではないでしょうか。言うまでもありません。政治と行政の問題です。 本日も国会中継があり、私も見ておりましたが、事態の解明は一向に進みません。森友や加計の問題については、既にご存知のことと思います…

トップの責任

自衛隊のイラク日報の存在が確認され、財務省が森友学園側に口裏合わせの依頼をしていたとのNHK報道もありました。もう、官僚の不祥事については枚挙にいとまがありません。この国は、いつからそんな2流国になってしまったのか。 当然の流れとして、トップの…

No. 188 人間と動物

全ての思想は、エゴイズムに疑問を投げ掛けるところから始まる。日本国憲法の3原則に照らして考えてみます。まず、平和主義。これは人間集団のエゴイズムを抑制しようとしています。次に、基本的人権の尊重。これは、国家ならびに国民の一人ひとりに対して…

No. 187 ライオンの生態から考えるエゴイズムの3類型(その4)

早速ながら、ライオンの生態から考えられたエゴイズムの3類型について、これらが人間にも当てはまるのか、考えてみましょう。 <帰属集団のエゴ> ライオンと同じように、人間も各種の集団を形成し、その集団の利益のために働いています。例えば、今、話題…

No. 186 ライオンの生態から考えるエゴイズムの3類型(その3)

昨日の佐川氏の国会証人喚問ですが、重要な事項は、何一つ明かされませんでした。ある程度想定されてはいたものの、腑に落ちません。こういう理不尽なことが続いており、次第に私は人間の社会というものに嫌気が差して来ました。 さて、ボヤいていても仕方が…

No. 185 ライオンの生態から考えるエゴイズムの3類型(その2)

森友学園の問題は一向に解明が進まず、どうも気持ちがスッキリしません。国会では政府が二言目には「地検による捜査が進行中なので、個別の事案については回答を差し控えたい」と言って回答を拒否しています。この期に及んで、未だに何かを隠そうとしている…

No. 184 ライオンの生態から考えるエゴイズムの3類型(その1)

桜が開花したというのに、今日は小雪が舞っていました。安倍政権の支持率は30%程度まで下落し、佐川氏の証人喚問が決まりました。森友学園の問題は、何故、8億円もの値引きがなされたのかという実質的な問題と、公文書が改ざんされたという手続き上の問題の…

官邸前の抗議集会

(前)文科省事務次官の前川氏が講演を行った名古屋市の中学校に対し、文科省が政治的圧力を掛けたことが判明しました。これはもう、恐怖政治だと言う他ありません。文科大臣は、前川氏に謝罪すべきではないでしょうか。 また、森友学園で工事を請け負った業者…

財務省 文書改ざん事件

関東地方では、春めいてきましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。 さて、このブログでは1次性~3次性についての要約書を掲載してまいりました。私としては、なんとか分かり易くお伝えしたいとの思いで趣向を凝らした訳ですが、ご理解いただけたでしょう…

No. 183 3次性についての要約書

動物との関係: 人が動物を敬う 興味の対象: 概念と論理 古代の文化種別: 動物信仰、アニミズム 文化の進展プロセス: 古代において人間は、超越的な何者かの存在を信じ始めた。これがアニミズムだが、その契機としては、動物、死体、自然現象の3種類が考…

No. 182 2次性についての要約書

動物との関係: 食べる。人間が、動物を食料として認識する。 興味の対象: 物と自然 古代の文化種別: 狩猟。狩猟のための道具として、ヤリ、弓矢など。 文化の進展プロセス: 狩猟のための武器が発明され、更に動物の毛皮が衣服として利用される。そこから…