文化で遊ぶ

(旧タイトル:文化の誕生)

No. 127 政治を読み解く7つの対立軸(その6)

文化人類学の面白いところは、とりあえず自分の立場だとか考え方を極力捨てて、人間の行動を客観的に見ようとするところです。例えば、雲の上に腰を落ち着けたような気分になって、人々の行動を眺めてみる。ふむふむ。色んな人がいるなあ。で、彼らはどうしてそんなことをしているのだろう?

 

今回は、ちょっと目先の加計学園の問題などは横へ置き、雲の上に腰を落ち着けた気分で、日本の政治状況を眺めてみました。すると、現代日本人の政治に対する態度というのは、大体、5種類位に分類できそうな気がしてきました。まず、政治状況の現状に満足している、若しくはこれを肯定している人たちです。この肯定派の人たちは、更に、既得権者と無関心な人たちに分類できます。無関心というのは、肯定でも否定でもないと言えるかも知れませんが、無関心というのは、結果として現状を維持させる効果があるので、肯定派にカウントすることにしました。

 

次に、現在の政治状況に納得していない人たちがいます。肯定派の反対で、これらの人たちは、否定派と呼ばせていただきます。否定派の中には、まず、日本を戦前と同じような神道を基軸とした国家に戻すべきだ、と考えている人たちがいます。日本会議の人たちや、靖国神社に参拝されている方々のことです。便宜上、これらの人たちをタカ派と呼びます。また、タカ派とは反対に、憲法9条を守れと主張している護憲派の人たちもいます。この人たちをハト派と呼びましょう。更に、現在の政治状況において、自分は適正な処遇を受けていないと考え、現状を否定している方々もおられます。特段の既得権を持つこともなく、例えば、経済的に余裕がない。これらの方々を便宜上、非既得権者と呼ぶことにします。では、一覧にしてみます。

 

1.現状肯定派

 A  既得権者

 B 無関心層

2.現状否定派

 C.タカ派

 D.ハト派

 E.非既得権者

 

例えば、安倍政権には、日本会議のメンバーが多く含まれており、タカ派なのかと思うと、実際には新自由主義に基づき、日本を疲弊させるような政策を多く、実行しています。安倍政権の本質は、タカ派ではなく、既得権者の保護にあるのではないか。また、最近週末になると共謀罪法に反対するデモが開催されています。一見、その参加者はハト派のように見えますが、中には、最低賃金を上げろというプラカードなども散見されます。それが悪い訳ではありませんが、政治状況を考える上で、上記の区分が有益ではないかと考える理由が、そんなところにもあるということなのです。

 

さて、今回の記事のテーマは、6番目の対立軸であるタカ派 vs ハト派ということになります。

 

まず、タカ派ハト派も、現状に満足していない。その点は、共通しているんですね。では、現状の何に不満なのか。それは、実は、日本が未だにアメリカに支配されている。だから、納得できない。そういうことではないでしょうか。最近の例で言いますと、例えば、安全保障関連法というのが制定されて、日本は集団的自衛権を行使できる国になった。もちろん、米軍を守るためです。多分、アメリカからの相当強烈な圧力が、日本政府に掛けられていたのだと思います。最近話題の国家戦略特区。これもアメリカからの圧力で決まった。日本の許認可制度が参入障壁になっていると考えたアメリカが、それを取り払うために日本の政府に働き掛けたものと思われます。加計学園の例は別にして、これを進めるとアメリカの大企業が様々な分野で日本に進出してくることになると思います。例えば、製造物責任法。アメリカでは訴訟が多く、アメリカの企業は多額の訴訟コストを負担している。それに比べて、日本ではほとんど訴訟が起こらない。これは、不公平だ。日本の企業も訴訟コストを負担すべきだ、とアメリカから圧力があった。そこで、泣く泣く日本の国会は、製造物責任法を制定したんです。会社法も同じですね。日本の会社というのは、伝統的に監査役というものを置いてきた。そんなものは良く分からん! 日本の会社もアメリカと同じような仕組みにしろと言われて、アメリカ式の委員会設置会社という仕組みを採用したのが、日本の会社法です。更に、在日米軍に対する不平等な地位協定というものもあります。アメリカによる支配の矛盾を一番被っているのが、沖縄なのだと思います。

 

何故、そんなことが起こるのか。これは、ひとえに日米安全保障条約に原因があると思われます。北朝鮮までもが核兵器保有している今日、日本はアメリカの核の傘に守られている。だから、日本は自立できない。戦後72年もたっているというのに、日本は未だにアメリカの顔色をうかがっているんです。国の安全保障ばかりか、法律や経済政策まで、アメリカに従わされている。

 

ちょっと、長くなりましたので、続きは明日掲載致します。