文化で遊ぶ

(旧タイトル:文化の誕生)

No. 139 集団スケールと政治の現在(その12)

集団スケールの項目が出揃いましたので、これに基づいて、主要な政党について考えてみたいと思います。

1. 個人
2. 血縁集団
3. 帰属集団
4. 組織集団・・・・・・・・・・公明党民進党
5. 民族・・・・・・・・・・・・自民党
6. 一神教イデオロギー・・・・共産党
7. 民主国家・・・・・・・・・・???
8. グローバリズム

まずは、戦後の歴史を簡単に振り返ってみます。

1945年: 敗戦
1946年: 日本国憲法公布
1947年: 日本国憲法施行
1949年: 中華人民共和国 建国
1950年: 朝鮮戦争 勃発
1950年: レッドパージ日本共産党、非合法化)

1947年に施行された日本国憲法ですが、その第19条には「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と書いてあります。しかし、当時のGHQを脅かす事件が相次いで起こったのです。まず、共産主義国家としての中国が建国され、更に、北朝鮮が38度線を越えて、韓国側に侵攻しました。そして、この戦いに中国が参戦したのです。アメリカは韓国側を支援し、北朝鮮および中国の軍隊を38度線まで後退させます。この際、在日米軍の大半が朝鮮半島に行ってしまったため、在日米軍基地を守る人員がいなくなってしまいました。そこで、日本に警察予備隊なるものを作らせ、在日米軍基地を守らせたようです。これが、後の自衛隊となったようです。

憲法は作ったものの、GHQとしては、国際的な広がりを見せる共産主義勢力をなんとかする必要にかられました。日本においてまで、共産主義革命が起きてはかなわない、ということです。そこで、1950年にいわゆるレッドパージを行ないました。これは、日本共産党を非合法化するもので、徹底的な弾圧が下されたのです。

GHQとしては、共産党を弾圧すると共に、なんとか日本における資本主義勢力を強化したいと考えた。そこで、白羽の矢が立ったのが、今の自民党だと思われます。岸信介の時代だと思いますが、アメリカのCIAが自民党に資金援助をしていた、という話もあります。

GHQとしては、日本が戦時中のように軍事大国化するのは困る。かと言って、共産主義に染まるのも困る、と考えた訳です。そこで、軍事に関することはアメリカに任せろ、日本は経済発展だけ考えておけばいい、という方針になった。これは日本にとって、メリット、デメリットの双方があったものと思います。日本は経済に専念できる。そのため、戦後の復旧は進みましたし、その後の高度成長経済を成し遂げることもできたのです。反面、日本は、軍事面においてはアメリカに従属せざるを得なくなった。詳細は分かりませんが、 “日米合同委員会”というものが発足し、これは今日も続いている。この会議に参加しているのは、日本の主要な官僚とアメリカ軍で、その会議録は非公開とされているようです。この会議などを通じて、アメリカは戦後72年が経過した今日においても、日本を支配している。そんな例は、他国には存在しないようです。ただ、アメリカばかりを責める訳にも行きません。この“日米合同委員会”のメンバーになることは、官僚にとってはエリートコースに乗ることを意味しているからです。官僚の権力のバックボーンとなっている訳ですね。だから、日本の官僚としても、“日米合同委員会”の存続をずっと、希望し続けてきたものと思われます。ここに、日本における官僚支配の影の理由がある。

一方、自民党ですが、上記の経緯に基づきますと、基本的に軍事的なことを考える必要はない。これはアメリカに頭を下げてさえいれば、いい訳です。経済だけ考えておけばいい。だから、自民党はいつの時代でも、経済最優先なんだろうと思います。経済最優先なので、自民党は財界との繋がりが深い。今でも、経団連から多額の寄付をもらっている。

また、集団的自衛権を定めた安全保障関連法につきましても、その背景が見えて来ます。「日米安全保障条約に基づき、アメリカ人は日本人のために血を流さなければならない。それなのに、アメリカ軍が攻められている時に、日本人は助けてもくれないのか。そんなことでは、今後、アメリカが日本を守ってあげられるかどうか分からないぞ」。そんな主張が、“日米合同委員会”を通じて、日本側に伝えられたのではないでしょうか。(事実、トランプ氏は、大統領就任直後だったと思いますが、前記のような発言をしています。)そんな事情があったので、自民党は是が非でも、安全保障関連法案を国会で通す必要があると考えたのではないでしょうか。

上記の経緯と仕組みに基づき、日本は今でもアメリカに支配されているのです。もちろん私も、日本がアメリカに勝てるとは思いません。アメリカの原子力空母など、写真をみただけで、震え上がってしまいます。他方で、アメリカ支配のしわ寄せを受けているのが沖縄だと思うのです。難しい問題です。

上記の経緯を見ますと、自民党の本質が見えてくるように思うのです。軍事については対米従属、政策は経済優先ということになります。そして、1950年頃のメンタリティというものを考えますと、やはり国家神道の影響が色濃く残っていた。と言うよりは、他に選択肢がなかったのだと思います。共産主義に染まるよりは、そちらの方がまだましだとGHQも考えたのでしょう。そういうメンタリティが、自民党では今日まで続いているように思います。