文化で遊ぶ

(旧タイトル:文化の誕生)

No. 140 集団スケールと政治の現在(その13)

 

1. 個人
2. 血縁集団
3. 帰属集団
4. 組織集団・・・・・・・・・・公明党民進党
5. 民族・・・・・・・・・・・・自民党(?)、希望の党(?)
6. 一神教イデオロギー・・・・共産党
7. 民主国家・・・・・・・・・・該当なし
8. グローバリズム

相変わらず希望の党に関するニュースが流れ、それらを見るたびに私の血圧は上昇してしまいます。一つ言えるのは、先に書きました私の読みは、大体当たっているだろうということです。選挙後に小池一派と前原組の権力闘争が始まる、という推測です。多分、希望の党の支持率は急落しているので、選挙後には責任問題が浮上する。それを見越して、前原氏は同党の重職に就くのは嫌だ、そう思っている。思うような結果を残せなかった場合、「全ての責任は小池氏にある」と言いたい。そう言える余地を残しておきたい。ただ、旧民進党の枠の中で、前原氏の責任を追及する動きも出てきそうです。政治の世界って、本当に怖いですね。

 

さて、本論に入りましょう。冒頭の一覧で私が考えていることの結論を先に申し上げます。私は、各政党の立脚点というのは、番号が大きい程良い、という原則があると思うのです。例えば、モリカケ問題などは、安倍総理のオトモダチを優遇するので問題となった。オトモダチというのは帰属集団で、番号は3です。最終的には、8番のグローバリズムということになりますが、現在、人類はその域に達していません。そのため、7番の“民主国家”を当面の目標とするのが現実的ではないか、と思うのです。もちろん、ここで言う民主国家とは、立憲主義法治主義に基づくものです。民族主義とは全く違います。現在の日本には、いわゆる大和民族の他にアイヌ民族琉球民族の方々がおられ、そしてアイヌ民族にはカムイという神がいて、琉球民族にも独自の信仰がある。これら複数の民族に対し、「共存する意志を持て」と言っているのが、日本国憲法です。更に、日本には主に大陸からこられた移民の方々もおられる。これら全ての方々を含めて、民主国家、日本は構成されている。そういう意味で、私は、民主国家としての日本国の利益を考える政党というものが、目指すべき位相であると考えています。しかし、残念ながらこの観点から言って、100点満点の政党というものは、現在の日本に存在しない。これが結論です。

 

前回の原稿で自民党について言及しましたが、ちょっと補足致します。自民党の安全保障政策というのは、対米従属にある。一方、そのメンタリティは民族主義にある。この2つは、論理的には整合しません。本当に大和民族が重要だと思っているのであれば、外国に従属するとは何事だ、ということになるはずなんです。大和民族の独立を目指せ、という主張があって然るべきだと思うのです。しかし、自民党からそういう主張は出て来ない。してみると、自民党民族主義というのは、本物ではない。確かに、8月には靖国神社にお参りする議員もいますし、安倍政権の大半の閣僚は、極右とも言われる日本会議に参加しています。しかし、これらの事項は、単に票を集めるための行動なのではないか。このように解釈しますと、自民党という政党の本質は、特段のメンタリティを持たず、ひたすら対米従属、経済優先、そして票を集めるためのポピュリズムにある、と見る方が正確かも知れません。敗戦後の混乱の中から、日本は経済を復興させてきた。そのために自民党が果たした役割は大きい。しかし問題は、戦後72年が経過した今日においても対米従属を継続している。集団的自衛権を定めた安全保障関連法というは、自民党の対米従属という姿勢が、はからずも白日の下にさらされた事例ではないかと思うのです。この対米従属を是とするのか否か、これこそが現在の日本の政党を識別するモノサシであるべきかも知れません。

 

以下、駆け足で他の政党を見て行きましょう。まず、共産党ですが、これは6番のイデオロギーという位相に軸足を持っている。番号としては、大きい方です。宗教よりはイデオロギーの方が、科学に近い。しかし、共産主義を唱えたマルクスという人は、日本で言えば江戸時代の人なんですね。問題は、そこから時代の変化に対応する柔軟性を持っているのか、ということだと思います。イデオロギーという一つの仮説に固執するのは、良いことではありません。志位委員長の在任期間が長いことからしても、党内に民主主義が根付いているのか、疑問があります。他方、今回の民進党解体劇のようなことが起こっても、共産党はぶれない。そういう強みがあることも確かではあります。

次に公明党ですが、これは創価学会宗教法人として享受している税制上の利益などを守ろうとしていると言われています。創価学会は、組織集団という位置づけになります。これも、“民主国家”からは程遠い。但し、安倍政権による憲法9条の変更について、現在、公明党は慎重姿勢を見せており、この点は評価できます。私は、政教分離は徹底するべきだという立場を取っていますが、公明党が今後も政治活動を継続するのであれば、もっと平和主義に徹していただきたいものです。

 

民進党の支持基盤は、連合ですね。これも組織集団です。その意味で、公明党創価学会を支持基盤としているのと、位相としては同じだと思うのです。特定の支持団体を持つと、どうしても掲げる政策も支持団体の利益を優先せざるを得ない。これがしがらみです。なお、連合自体、内部矛盾を抱えている。その加盟労組の中には、共産党系もあれば、かつての御用組合のような反共産党系の組合まである。連合の内部矛盾が、そのまま民進党に持ち込まれていたとも言えます。民進党が解党しようとしている現在、連合自体も岐路に立たされています。

 

希望の党は、今のところ、数合わせの政党であって、その特徴は自民党と変わらないように思えます。

 

立憲民進党ですが、民族、宗教、イデオロギーに依存しないという意味では、最も民主国家の位相に近い政党だと思います。一つ残念なのは、連合に選挙協力を求めている点です。こんなことを言いますと、お叱りを受けそうですね。

「君のように理想論ばかり言っていては、政治は動かないんだよ。現実問題として、一体誰がポスターを張ってくれるんだ。政治には、お金だって必要なんだよ!」

ご説ごもっとも。しかし、もっとネットが普及すれば、そういう手間もお金もかからない選挙ができるようになると思います。あと、10年もたてば、状況が一変するのでは?

そう言えば、小沢一郎氏が率いる自由党を忘れていました。民進党が分裂して、現在、自由党の皆さんは苦境に立たされているようです。小沢氏としては、希望の党のように自民党との連立など、さらさら考えていないでしょうが、今は、選挙後の希望の党の内部抗争を見据えている。今は、動くべき時ではない。そう思っているものと推測します。

 

このように概観してきますと、現在の日本の政治状況というのは、“民主国家”の位相を目指してはいるが、まだ、そこに到達はしていない、と言えるのではないでしょうか。