文化領域論

(No.196 ~ No.228)

No. 175 人の心の壊れ方(その1)

 

相変わらずバイクの動画を見ているのですが、これが面白くて仕方がないのです。私は、バイクを買うつもりも乗るつもりもないのですが、何故、面白いのだろうと考えたのですが、どうやら、バイクと人の関わり方が面白いということのようです。

 

最近バイクの世界では、「ラーツー」というのが、流行っているようです。勘のいい方はお分かりかと思いますが、これはラーメン・ツーリングの略語です。バイクでそれなりの距離を走る訳ですから、これはラーメンの有名店に行くのだろうと思ったのですが、最近のラーツーは違う。バイクに機材を積んで、海辺など景色の良い所へ行くのです。そこでお湯を沸かし、カップラーメンを食べるんですね! これには驚きました。でも、そういうのもいいと思うのです。所詮、私たちの人生に然したる意味なんて、ないんです。意味というのは、苦労して発見するか、または自ら創造するしかない。それがどんなにささやかなものであっても、その意味によって私たちは現実世界とつながっていく。

 

ところで皆さんは、ホンダのダックスとかモンキーというバイクをご存知でしょうか。ミニバイクですが、これで楽しんでいる人たちも少なくない。当初は、遊園地の乗り物として開発されたようですが、やがてクルマにも積めるということで、その後、相当売れたんですね。私も憧れていました。排ガス規制の関係だと思いますが、残念ながら生産終了となってしまいましたが・・・。このダックスとかモンキーというバイクは、自分で修理をしたりカスタマイズしても楽しい。人によっては、改造費に100万円以上も掛けているようです。

 

バイク動画の世界にも、オピニオン・リーダーのような人たちがいます。バイクの乗り方や、掃除の仕方などを教えてくれる。初心者にとっては、本当に心強い味方だと思います。そんな動画を見ておりましたら、ある視聴者からこんなリクエストがありました。

 

その動画の視聴者は、看護師である。そして後輩の看護師がうつ病になってしまったが、今はバイクの免許を取ろうとして、教習所に通っている。助言をお願いしたい。

 

YouTubeですから、画面の下方にコメント欄がある。私が驚いたのは、そのコメント欄に「自分もうつ病だった」「自分は今もうつ病だ」という書き込みがずらりと並んでいた事です。うつ病というのは現代病のようなもので、今、本当に多いですね。私も、何人もそういう人たちを知っています。ただ、私が注目したのは、うつ病とバイクとの関係なんです。もしかすると、バイクには人の心を癒す働きがあるのではないか。

 

この問題は、文化論の立場から、一度、考えてみる価値があるのではないか。

 

例えば、日本の捕鯨に反対する人は、このように述べています。クジラを殺したからと言って、クジラの心が分かる訳ではない。殺さないで、生きているクジラの行動を観察するべきだ。そうすれば、クジラの行動を通して、クジラの心を理解することが可能になる。

 

私もそう思うのです。人間の行動や文化を観察することによって、その先にある人間の心を理解することが可能になる。