文化で遊ぶ

(旧タイトル:文化の誕生)

No. 187 ライオンの生態から考えるエゴイズムの3類型(その4)

早速ながら、ライオンの生態から考えられたエゴイズムの3類型について、これらが人間にも当てはまるのか、考えてみましょう。

 

<帰属集団のエゴ>

 

ライオンと同じように、人間も各種の集団を形成し、その集団の利益のために働いています。例えば、今、話題の官僚組織。大体、官僚というのはその属する省庁の利益を優先すると言われています。例えば、予算。これを確保するために、前年度に取得した予算は、何としても使い切ってしまう。年度末が近づくと道路工事が増えるとは、よく言われることです。国家全体の利益ではなく、省庁の利益が優先される。そのため、予算を確保するために、省庁間で熾烈な戦いがあるのだろうと思うのですが、これはライオンのプライドが縄張りを守るために戦っているのと、そっくりです。もちろん、そういう官僚ばかりではないと思いますが・・・。

 

企業でも、事情は同じです。部門間で争ったり、派閥同士で争ったりしています。そして、業績が悪化すると、リストラと称して立場の弱い人たちを切り捨てます。これも、ライオンと同じではないでしょうか。

 

<序列闘争に関する個体のエゴ>

 

ありとあらゆる人間集団において、序列が決まっていて、個人は自分の序列を維持、向上させようと躍起になっている。私の目には、そう見えます。

 

最近、「マウンティング女子」という言葉があるようです。これは何かと「私の方が幸せよ」というアピールをしてくる女性を指すようです。「ボスママ」というのもある。こちらはPTAの会合などで、ボスに君臨している母親を指すようです。メンバーは、ボスママに嫌われないよう、ボスママが身に付けているモノより高価なものは身に付けないなど、注意が必要らしい。これはもう、メスライオンの世界よりも厳しいかも知れない。

 

序列闘争というのは、もちろん女性の集団に限ったことではありません。官僚組織でも民間企業でも、細かく役職が分類されています。これは、人間のエゴイズムをうまく利用した制度だと思います。例えば、会社の廊下の角などで、二人の人間が出くわすことがあります。すると、瞬時に判断して、序列が下の人間が道を譲るんですね。序列というのは、そこまで組織の中に浸透している。

 

こちらは特にライバルだと思っていない友人から、妙に絡まれたりすることもあります。これも序列闘争ですね。学歴、知識、経験などをこれ見よがしにひけらかしてくる。こういう人間って、はっきり言ってサイテーだと思いませんか? 若いうちならまだしも、ある程度の大人になれば、他人との比較や社会的な地位など、相対的な評価基準ではなく、自らが決する絶対的な評価基準、価値観を確立すべきだと思います。ただ、そうできている人というのは、かなり少ないというのが、私の実感です。もっと人間を磨け、と言いたくなってしまいます。(自らの反省も込めて!)

 

大体どこの企業でも、成果主義実力主義などと言っていますが、現実は違います。優秀な部下を抜擢すると、上司の無能さが目だってしまうというのが、世の常です。だから、仕事ができる優秀な人というのは、概して、煙たがられ、出世しないようになっているのです。現役サラリーマンの方で、出世したいと思っておられる方がいましたら、私からワンポイントアドバイス。あなたは上司に対し、次のようなスタンス取るべきです。「私は、バカではないので、そこそこ仕事はできます。しかし、あなたには遠く及びません」。

 

この序列闘争というのは、思いの外、多大な影響を人間社会に及ぼしている。家族集団も、その例外ではありません。社会生活を営んでおりますと、必ずと言って良い程、人間関係上の問題に直面します。そして、それらの多くが、この序列という問題に端を発しているような気がします。

 

<遺伝子のエゴ>

 

男も女も、自らの遺伝子を残すために、より有利な条件を求めてパートナーを探します。この点も、ライオンと全く変わりません。

 

一般に、パートナーとなる女性の数を増やせば、男は何人でも子供を作ることができる。反面、女性が生涯を通じて産める子供の数には限度がある。よって男というのは生来、浮気性で、反面、女性は子育てに協力してくれそうな男性を求める、などと言われています。本当にそうなのか、私には分かりません。ただ、生物学的に言いますと、一夫一婦制がいいのか、はなはだ疑問があるようです。これでは、精子精子の間における競争が生じない。だから、弱い精子も生き残り続ける。結果としてどういう問題が起こるかと言えば、妊娠しづらくなる。乱婚制を取っている動物で、こういう問題は、起こりません。いずれ、婚姻制度を見直すべき時代がやって来るかも知れません。

 

話が脱線してしまいました。本能と呼んでも構いませんが、エゴイズムのレベルにおいては、人間もライオンも何ら変わらない、というのが本稿の趣旨です。