文化認識論

(世界を記述する。Since Oct. 2019)

政党の立ち位置(その3)

先にお示し致しました一覧表に記載されていない政党もあります。小沢一郎氏が率いる自由党もその1つです。自由党の立ち位置というのは、左派ではありますが、とても柔軟性に富んでいる。今回の国民民主党との合流話においても、原則として政策については、国民民主党のものを自由党が丸飲みすることになっている。結局、自由党の主張の根幹というのは、2大政党制を目指すということで、小異を捨て、大同につこうということだと思います。

 

そもそも、2大政党制を目標として小選挙区制を導入したのは、小沢氏だと言われている。「政権交代が起こらないのでは、民主主義とは言えない」というのが小沢氏の弁であり、それは確かにそうだと思います。実際、過去に2回生じた政権交代の立役者は、小沢氏だった。しかし、いずれの場合も、結局、自民党政権に戻り、今日の状況がある。

 

小沢氏には、小選挙区制を導入した責任がある。そのことを小沢氏は強く自覚しているので、何とか3回目の政権交代を果たして、日本の民主主義を一歩前進させたいとの思いから、高齢であるにも関わらず、未だに第一線で頑張っているに違いありません。

 

小沢氏は、まず、立憲民主党の枝野氏に接近した。野党で大きな塊を作ろう、2大政党制を目指そう、その旗振りを立憲民主党にお願いしたい。小沢氏がそう働き掛けたであろうことは、想像にかたくない。枝野氏も悩んだに違いありません。しかし、枝野氏は結局、首を縦には振らなかった。

 

せっかく個人を指示母体とする新しい政党を立ち上げ、成功しつつあった枝野氏にしてみれば、旧同盟系の労組を支持基盤に置く国民民主党は、いかにも旧態依然としている。そんなところと合体してしまっては、元の木阿弥でだ。枝野氏の主張は一貫していて、政党間の合従連衡には応じない、但し、立憲の政策に賛同する個人には門戸を開く。枝野氏は、自立した個人を支持基盤に置こうとしているのであって、同じ原則を立憲民主党の議員にも求めているのだと思います。

 

そんな枝野氏に対して、小沢氏が何をどう持ちかけたのかは、分かりません。ただ、結果として二人の交渉は決裂した。次善の策として、小沢氏は国民民主党との合併話に乗ることにした。「小沢さん、それは違うだろう、今度ばかりは、あなたの判断は間違っている!」というのが、私の印象です。そんなことをすれば、野党はさらに分裂し、2大政党制は更に遠のいてしまう。

 

ご案内の通り、国由合併話はなかなか進展せず、今月末を期限とし、それまでにまとまらなかった場合、この話はご破算となります。

 

そもそも、右か左かも分からない国民民主党に、存在意義はあるのか。最近、菅元首相が国民民主党に対し解党することを進言し、国民側が激怒したとの報道がありますが、私は、菅元首相と同じ意見です。そもそも、労働組合が何故、政治に首を突っ込むのか。労働組合は、企業経営者と向き合い、賃上げ交渉をやっていれば良いのではないか。

 

そんな状況下にあって、山本太郎氏が「れいわ新選組」なる政治団体の旗揚げを宣言した! 凄いですね、面白くなってきました。冗談ではありません。これは真面目です。

 

私は、YouTubeで山本氏の会見を見ましたが、どうやらこの話には、深い事情がありそうだと思うのです。山本氏は、民由合併の如何に関わらず、「れいわ新選組」を立ち上げると言っている。これに対して、小沢氏は慰留をしなかったものの、自由党に対する離党届けの提出は、民由合併の結論が出てからにしろと言っていて、山本氏もこれを了承している。

 

ここから先は、私の推測です。

 

山本氏は、小沢氏のことを影では「親方」と呼んで、慕ってきた。高齢の親方が、2大政党制の実現に向けて、最後の力を振り絞っている。しかし、原発即ゼロを主張している自分がいては、民由合併に支障をきたすに違いない。ここは、自分が離党すべきだ。山本氏は、そう考えたのではないか。

 

これに対して小沢氏は、既に立憲との協議は破綻している。民由合併の話がご破算になった場合、当面、小沢氏に打つ手はなくなる。してみると、小沢氏は一歩引いて、山本氏が立ち上げる「れいわ新選組」の応援に回る、という可能性はないだろうか。

 

ベストシナリオは、こうです。国民民主党自由党の合併話が、決裂する。小沢氏は自由党の代表を辞任する。そして、自由党が「れいわ新選組」と改称し、来るべき選挙にのぞむ。

 

あくまでも、私の希望的推測ではあります。

 

さて、「れいわ新選組」の立ち位置ですが、こちらも自立した個人を支持基盤として想定しています。よって、立ち位置としては、立憲民主党と同じです。では、両党の違いは何かと言うと、それは経済政策、とりわけ消費税に対する考え方の相違のみ、だと思われます。山本氏は、消費税は廃止、少なくとも5%への減税を主張し、枝野氏は8%への据え置きを主張しています。実は、この差は大きいのです。

 

続く