文化領域論

(No.196 ~ No.228)

政党の立ち位置(その11) 右派からの提言

昨日、国民民主党自由党の合併が決まってしまいました。個人的には、大変残念です。一方、山本太郎氏が立ち上げたれいわ新選組Twitterを見ますと、4月25日現在で、寄付金の額が4,879万円に達したとのこと。頑張って欲しいと思っています。

 

さて、MMTですが、世間でも次第に話題にのぼるようになってきました。そして、私が目にしたものは、全ての記事がMMTを肯定しています。どうやら、この理論は今年に入ってからアメリカで火がつき、日本に飛び火したように見受けられます。但し、日本の経済学者の中には、もっと前からこの説を主張されていた方もおられるのではないでしょうか。

 

MMTに関しては、様々な説明の仕方があるようです。例えば、鈴木さんというご夫妻がおられたとして、ご主人(政府)が奥様(日銀)から100万円借りたとします。しかし、だからと言って鈴木さんご夫妻が貧乏になった訳ではない。

 

私も、考えてみました。昔、通貨を持たないAという国があったとします。外国のそれを伝え聞いたA国の人は、自国でも通貨を持とうと考えます。そこで、紙幣を印刷する日銀という会社を作ります。この会社は、いくらでも紙幣を印刷することができます。出来上がった紙幣の山を見て、A国の人々は考えます。この紙幣をどうやって分配しようか。親戚一同や、友人知人に配ってしまう訳にはいかない。そこで、平等な分配方法を考えるのですが、どうしても思い付かない。もちろん、A国の中には男もいれば女もいる。老人もいれば若い人もいる。一生懸命働いている人も、遊びほうけている人もいる。困った。そこで、政府の役人が言い出します。それは、政府が借りることにしよう。そして、政府が民間に仕事を発注して、その対価を紙幣で支払うことにしよう。これで、一同が納得する。

 

そもそも国債とは、そういうものではないでしょうか。市場に通貨を流通させるために、政府が発行するのです。返済する必要はない。国債の発行額は、経済の規模に応じて膨らんでいくのであって、それは健全なことだと思うのです。

 

そして、MMTという考え方を推し進めて行きますと、自律的な国家経済という概念に帰着する。何故なら、そこに登場するのは国の政府であって、その国の通貨を発行する中央銀行だからです。別の言い方をしますと、MMTという考え方は、反グローバリズムに向けた起爆剤となり得る。そして、日本でもこのような考え方を推進しようとする動きが出てきた。それが、令和ピボット運動です。

 

この運動は三橋貴明氏が提唱し、藤井聡氏など、多くの学者が賛同し、立ち上げられたもののようです。その基本理念は、反・緊縮財政、反・グローバル化、反・構造改革の3点となっております。反・構造改革というのは、概ね、反民営化という意味かと思われます。例えば、小泉総理が郵政を民営化した。どうなったかと言うと、日本国民の貯金によって、大量のアメリカの国債が購入される結果となった、と言われています。但し、その額は非公表となっているようです。水道の民営化という、酷い話もあります。合理的な理由が説明されることもなく、この法律は可決してしまったのですが、水道を民営化して、それを誰が購入するかと言えば、外資なのです。外国では、民営化によって水道料金が6倍になったという事例もあるそうです。そこで、諸外国では一度民営化した水道事業を公営に戻している。このように、規制緩和や民営化に伴って、日本国民の資産が、外資に奪われるという現実がある。また、その間隙を縫って、私腹を肥やそうという日本人の ’やから’ が出てくる。もう、そういう馬鹿なことは止めようというのが、令和ピボット運動の主張です。

 

具体的な政策についても拝見しましたが、大変素晴らしいと思いました。よく考えられていて、合理的なのです。経済政策としては、私も賛同致します。しかし、最後の一線を超えて、心の底から賛成することはできない。何故かと言うと、この運動を提唱されている方々というのは、右派なんです。日本の伝統的な文化を大切にしようというマインドが、底流にある。文化は進化させるべきだと考える左派の私とは、どうも合わない。経済政策のみを取り上げれば、そこに右も左もない。しかし、それだけが政治ではありません。

 

また、令和ピボット運動の主張というのは、財務省に対する批判が含まれているのですが、安部総理や自民党に反発しているかと言えば、どうもそこが見えない。また、この運動がどこに向かおうとしているのか、それも見えないのです。新党を立ち上げるのか、自民党の内部から改革しようとしているのか。

 

また、何故このような主張が左派、すなわち野党の側から出て来ないのか。まず、共産党のホームページを見てみたのですが、どうもこの政党の経済政策というのは、私にはよく分からない。共産主義というのが、同党の経済政策なのでしょうか。

 

次に、国民民主党ですが、こちらの玉木代表は財務省の出身らしい。してみると、長年、財政再建、緊縮財政、消費増税を主張してきた財務省のマインドから脱却するのは難しそうです。

 

頼みの綱は、立憲民主党です。現在、同党は政策を取り纏め中ではありますが、今日までの枝野代表の発言からすれば、MMTとは一線を画しているように見受けられます。そもそも、民主党政権財務省に言われるがまま、消費税の税率を上げようとしてきた過去がある。しかし、誰にでも過ちはある。過去の発言との整合性など、気にする必要はないのです。君子、豹変すべし! 今頃、都内の某所で、立憲の幹部がMMTの勉強会を開いている・・・かも知れません。(私の希望的観測は、ほぼ、当たったことがありません。)

 

すると、左派でMMTに積極的なのは、やはり「れいわ新選組肉球)」しかなさそうです。

 

続く