文化認識論

(世界を記述する。Since Oct. 2019)

政党の立ち位置(その13) 自民党

「政党の立ち位置」とのタイトルからして、戦後日本で最大の権力を誇った自民党について、検討しない訳にはいきません。また、自民党とは戦後における日本人多数派のメンタリティーを象徴しているとも言えます。

 

かつての自民党においては、いくつかの派閥が権力闘争を繰り広げていました。極右から中道左派までが、ひしめいていたのだろうと思いますが、ここでは、親中派親米派に分けて見ていきます。

 

親中派の代表格は、日中国交正常化を成し遂げた田中角栄氏だと思います。しかし、ロッキード事件という不可解な事件があって、彼は失脚しました。当時、まだ子供だった私などは「田中角栄というのは、金権政治ばかりをやっていて、悪い人だ」と思っていました。しかし、最近になって、いろいろな情報が出て来る。どうも、ロッキード事件には、不可解な点が多くあるようです。

 

また、ちょっと自民党からははずれますが、田中角栄と親しくしていた小沢一郎氏にも不可解な事件が襲いかかる。陸山会事件と呼ばれるものです。当時、小沢氏は民主党にいて、そのまま行けば総理大臣になるはずだった。ところが、地検特捜部が動いて、政治献金の問題が取り沙汰されたのです。結局、小沢氏は無罪だった訳ですが、彼は総理大臣にならなかった。ちなみに小沢氏は、日本と米中の関係を二等辺三角形になぞらえ、等距離外交がいいと主張しています。

 

何か、不穏当な匂いがします。中国と仲良くしようとする政治家は、何故か、地検特捜部に潰されてしまう。

 

そこで、Wikipediaで「特別捜査部」(=地検特捜部)という用語を調べてみますと、そこには驚くべき事項が書いてある。そもそも、特別捜査部の発足には、GHQが関わっていた。そして、特別捜査部田中角栄の流れを汲む平成会の政治家には厳しく、反対に、親米派の清和会には寛容だという説がある、とのことです。清和会というのは、安部総理が属している派閥のことです。一般の国民には思いもつかない日本政治の闇があるのでしょうか。

 

いずれにせよ、自民党の中には、かつて親中派親米派がいて、親米派が勝って、現在の自民党がある。この点は、間違いなさそうです。その流れは、新自由主義に舵を切った中曽根総理の頃から、今日まで続いているのだろうと思います。換言しますと、中曽根総理の時代から、日本の対米従属が強まった、ということです。

 

そう言えば、「自民党をぶっ壊す」と言って総理になったのが、小泉氏ですが、選挙戦において、最大の援軍となったのは、田中眞紀子氏でした。(田中角栄の娘)そして、小泉氏が総理になると真紀子氏は、外務大臣に抜擢された。しかし、程なく更迭され、「私が前に進もうとすると、スカートの裾を踏んでいる人がいる。見ると、それが小泉氏本人だった」と述べていました。当時、詳細な理由は説明されませんでしたが、多分、親米派の小泉氏としては、親中派の真紀子氏の言動を許容できなかったのではないでしょうか。いずれにせよ小泉氏は、悪名高い竹中平蔵氏と組んで、自民党ではなく日本をぶっ壊してしまった、と私は思っているのですが・・・。

 

さて、そんな自民党ですが、なかなかつかみ所がない。イデオロギーはなく、宗教にも依存しない。(靖国神社などの問題はありますが、あれはあくまでも、日本会議などの支持を繋ぎ止めておくためのポーズに過ぎません。)やはり、自民党の基本的な構造というのは、ひたすら群れの中心を目指して動く、魚の群れに良く似ています。そこに明確な指導者は存在せず、原理もなく、外的な要因によって、群れの中心(権力)が移動する。

 

寄らば大樹の影

 

長いものには巻かれろ

 

こういう政党なのだと思います。そこにロジックや主張はない。だから、国会の審議において、野党がいくら理詰めで追及しようとしても、論議は噛み合わない。

 

但し、ロジックがないので、国民にも論理的に思考することを求めない。これが、大衆には受けるに違いありません。反対に、れいわ新選組山本太郎氏は、かねてより「街頭記者会見」と称して、街角演説会をやっていますが、パワポを駆使して、データを示しながら、ロジックを語ろうとしている。この演説会における最大のテーマは、消費税をなくしても財源は困らない、とする点にある訳ですが、これがなかなか難しい。MMTのことだと思いますが、山本氏は聴衆の一人ひとりに、思考することを求めている。自民党とは、正反対のポジションに立っている。

 

自民党の「考えない」という構造は、セクハラを生み、失言を増産し、ひいては「政界のお笑い担当」と呼ばれた桜田大臣を生んだのです。

 

多分、ネットを駆使して情報を収集している人たちの比率が、もう少しで臨界点に達する。その時に、日本の政治は大きく変わるのではないでしょうか。遠くないその時に備えて、私たちは考えるべき時期に来ているはずです。

 

続く