文化認識論

(世界を記述する。Since Oct. 2019)

政党の立ち位置(その17) 財務省と消費税

体系的に経済学を学んだことのない私ではありますが、考えれば考える程、MMTは正しい。まず、政府が国債を発行する。この国債は、金融機関を通じて、市場に流通する。そして、国債が満期となる時点での所有者は「①日銀以外の者」若しくは「②日銀」ということになる。まず、「①日銀以外の者」が所有者となった国債について考えてみる。その国債が満期となる。仮にその時点で、政府に資金がなかった場合、政府は新たに国債を発行し、満期となった国債の償還資金に充てることができる。

 

次に、金融緩和を目的として、日銀が金融機関から国債を買い取る場合がある。これが買いオペと呼ばれる手法で、国債が満期となる時点での所有者は日銀となる。この場合も、仮に政府に資金が不足していた場合、政府は新たに国債を発行し、そこから得た資金によって、満期となった国債の償還資金に充てれば良い。単純化して考えれば、単に国債の満期日を延期するよう、政府が日銀に命令すれば良い。政府と日銀は便宜上、異なる法人格を持っている。それは、戦時中の経験から、政府が無制限に国債を発行する権限を持つと、市場に出回るマネーストック(注1)が増大しハイパーインフレを招くので、これを防止するために法律上、日銀の独立性が確保されているためだ。しかし、実質的に政府と日銀は一体である。現在、日銀の株式の55%は政府が保有している。当然、日銀総裁の任命権も政府が持っている。

 

(注1)マネーストックとは、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量。(日銀ホームページより)

 

従って、自国通貨建てで国債を発行している場合、その国(政府)の財政が破たんすることはない。また、日本経済がデフレ状態にあるということは、日本のマネーストックが不足していることを意味する。従って、今はマネーストックを増加させる施策が必要で、そのために最も手っ取り早い施策は、消費税の廃止、若しくは減税である。

 

以上がMMTに関する私の理解です。

 

一見、難しそうな論理ではありますが、落ち着いて考えれば、誰にでも分かる。では何故、日本政府や財務省は消費増税を主張しているのでしょうか。税金によって予算を獲得し、それを分配する権限は、財務省が持っている。従って、権限を維持、強化するために、財務省増税を主張しているのだ、という説がありましたが、それだけが理由だとは思えません。そこには、闇がある。そして日本社会の闇というのは、突き詰めていくと、アメリカの影がちらついてくる場合が多い。財務省の背後にも、アメリカの存在があるのではないか。

 

そんなことを考えていたのですが、どうやら佐藤健志氏が、その理由を突き止めたようです。これはYouTubeにアップされている「MMTを否定する本当の理由」という番組の中で、佐藤氏が説き明かしているものです。かいつまんで、記します。

 

1945年に日本は敗戦する。そして、当初のアメリカの日本に対する占領政策は、日本が2度と戦争をできない位に、軍事のみならず経済も弱体化することだった。そこで、1947年に財政法が制定される。その4条には、「原則として国債の発行を禁止」する旨が定められた。国債を発行できなければ、国家は軍事費を調達できないので、戦争はできない。従って、日本が2度と戦争をしないために、財政法4条は憲法9条とセットで考えるべきだと説明され、当時の社会党などはこの考え方に賛同した。財政法4条は、今も効力を有しており、財務省(旧大蔵省を含む)は、緊縮財政、増税路線を取り続けている。

 

驚愕の事実! 良くそこに気付いたものです。佐藤氏には、脱帽します。YouTubeの番組の中で佐藤氏は、かかる主張を裏付けるディテールを説明されており、これは信ずるに足る説だと思いました。ちなみに、佐藤氏は令和ピボット運動の呼びかけ人になっておられます。

 

佐藤氏の説明は以上で、ここから先は、他の情報源と私の推測について述べます。

 

思えば、その後の朝鮮戦争(1950)とそれに続く日本の高度成長期(1954~1973)、バブル経済(1980年代末)など、一貫して日本はインフレだった。インフレを抑制することが課題だった訳で、財政法4条は問題とならなかった。

 

やがてバブルがはじけ、日本経済はデフレの時代に突入する。そこで、1998年に財務省(当時は大蔵省)で、不幸な事件が発生する。ノーパンしゃぶしゃぶ事件です。これは、金融機関から財務官僚などが、ノーパンしゃぶしゃぶと呼ばれる店で接待を受けていたというもので、官僚7人が逮捕・起訴され、112人が処分を受け、3人が自殺した(Wikipedia)と言われる巨大な汚職事件だった訳です。

 

しかしネットで調べてみると、この事件には別の見方が存在する。当時の大蔵省には、日本の国益を最優先に考える“愛国派”と、アメリカに従属し自らの出世を望む“対米従属派”が存在していた。そして、CIAがトラップを仕掛け、大蔵省から“愛国派”が一掃されたのが、ノーパンしゃぶしゃぶ事件の真相である、とのこと。事の真偽は、分かりません。しかし、日本のデフレは20年続いていると言われています。1998年と言えば、今から21年前。この話はトンデモ情報かも知れませんが、時期的には、日本経済がデフレに向かおうとしていた時期に符号する。

 

また、別のネット情報によれば、財務省で出世しそうな若手は、皆、アメリカに留学するという話もありました。真偽は分かりませんが、ありそうなことだとは思います。ちなみに、アメリカは現在、中国からの輸入品に関税25%を掛けると言って、争っています。この国は、昔も今も、自国の脅威となりそうな経済大国は潰そうとする。それだけは確かです。

 

いずれにせよ、緊縮・増税を方針とするのは、自民党のみならず、左派の側にも存在した。現在の消費増税は、自民党公明党民主党(当時)の3党合意によるものです。してみると、民主党から分離した立憲民主党や国民民主党も、基本的には緊縮・増税路線だと言えそうです。

 

共産党はどうでしょうか。私の知る限り、共産党が与党になったことはありません。その意味では、過去の発言や主張に捕らわれる必要がない。因みに、経済学者の松尾匡氏が推進している“薔薇マークキャンペーン”の頁を見ますと、薔薇マークの認定を受けた政治家の中に、共産党の方がかなりいらっしゃる。現在、共産党野党共闘を進める観点から、他の野党に合わせて“消費税据え置き”という立場を取っていますが、成り行き次第では、消費税廃止にまで踏み込める。そういうフリーハンドを持っていると言えそうです。

 

最後に安倍政権ですが、予定通り10月に消費税率を10%に引き上げるでしょうか。そうなれば、日本経済が更に落ち込み、デフレが深刻化する。政局ではなく、是非、日本とそこに暮らす人々のために判断してもらいたいと思います。

 

続く