文化領域論

(No.196 ~ No.228)

政党の立ち位置(その18) 日本政治の構造

思えば、「政党の立ち位置」と題した今回のシリーズ原稿を始めたのは、4月8日のことでした。正直に言いますと、その時点での私の支持政党は、立憲民主党でした。そして、4月10日、山本太郎さんがたった一人で記者会見を開き、「れいわ新選組」を立ち上げた。一体、これは何だろう? とても新しい感じがする。でも、流石に一人では無理では? いろいろなことを考えていると、太郎さんの街頭演説会の様子がYouTubeにアップされて来る。いつの間にか、それらの画像に引き込まれている自分がいた。

 

ネットで調べて行くと、右派の動きとして「令和ピボット運動」があり、左派からは「薔薇マークキャンペーン」が立ち上がっていた。そして、アメリカからMMTという話題が流入して来る。皆、今年に入ってからの動きなんですね。そういう意味では、私のブログも期せずして、時宜を得ていた。

 

MMTに関するご説明につきましては、私なりに太郎さんを後方支援するつもりもあって、精一杯分かり易く書いたつもりですが、もしも、経済の専門家がこのブログをご覧になっていたら、と考えますと、冷や汗が出て来ます。

 

太郎さんからは、本当に沢山のことを教えていただきました。特に、我々日本人の貧困がそこまで進んでいるとは、知りませんでした。奨学金の返済に苦しんでいる若者がいる。今日も、ネットカフェに宿泊する人たちがいる。年間で53万人もの人たちが自殺未遂をしている。年金の支給額は減少し、支給年齢は70才とか75才という話も聞こえて来る。そんな中で、太郎さんはこう言いました。

 

「今の高齢者は、ギリギリ逃げ切れる。でも、その後に残る世代はどうなるのか!」

 

確かに、私自身もギリギリ逃げ切れる世代なのです。そこで今日、銀行のATMへ行って、わずかばかりで恐縮ではありますが、れいわ新選組に寄附をしてきました。政治献金をするというのは、生まれて初めての経験です。(ちなみに、れいわ新選組への寄附は、まず、同団体のホームページへ行く。そこで、寄附というアイコンをクリックします。すると、寄附者の属性について記載するページになる。個人でないと寄附はできません。また、日本人であること、成人であること、などの条件があります。また、このページでクレジットカード決済か、銀行振り込みかを選ぶようになっています。私は、銀行振り込みを選択しました。すると、振り込み先が記されたページが現われます。このページをプリントアウトして、今日、銀行のATMへ行ったという次第です。クレジットカードでの決済の方が、簡単かも知れませんね。)

 

例えば文化人類学というのは、人間が、人間を離れた所から客観的に見る学問なんですね。古代人はどうだとか、中世にはこういう考え方があった、などと考える訳です。そう考えている“私”というのは、言わば“傍観者”なんです。離れた所から、人間の集団を見ているのですが、その集団が抱えている課題などには、関与しない。現役時代の私は、会社という中間集団に属しており、それはもう当事者として、様々な問題に関与してきた。理不尽なことばかりでした。そういうことがほとほと、嫌になったのです。そこで、引退後は、特段の中間集団には属さず、前述の文化人類学の勉強をはじめ、“傍観者”としての立場を貫いて来た訳です。やがて憲法に興味を持ち、国家というものに出会う。

 

あらゆる中間集団を否定したとしても、私は、日本という国家から逃げることはできない。この国で、生きていく以外に道はない。従って、日本という国家の前で、私は、傍観者ではいられない。一人の国民として、国家と向き合わない訳にはいかない。どうも、そういう心境になってきた。

 

さて、そんな日本という国家ですが、実情は惨憺たるものです。シンプル思考を旨とする私は、早速、図を作ってみました。矢印は、支配関係を示します。

 

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アメリカは依然として、日本を支配しようとしている。まず、毎月2回開催されると言われる秘密会議、日米合同委員会というものがある。面白いことに、この委員会の組織図が、ネット上に掲載されていました。日本側は、官僚のみがメンバーとなっていて、主な省庁は、外務省、法務省農林水産省、防衛相、そして財務省となっている。やはり、財務省にはアメリカの影響力が及んでいると考えた方が良さそうです。また、分科会レベルになりますと、国交省なども加わってくる。その他、アメリカは日本側に「年次要求書」なるものを毎年、送ってくるそうです。中身は分かりません。しかし、アメリカが日本の官僚組織に影響力を行使していることは、間違いないと思います。

 

また、外交の表舞台で、アメリカは政権党としての自民党に影響力を及ぼします。

 

自民党は、内閣人事局という組織を通じて、官僚組織の人事権を一手に握っている。よって、官僚というのは、アメリカと自民党支配下に置かれているとも言えそうです。

 

自民党は、NHKをはじめ、マスメディアに影響力を及ぼしている。不都合な放送や報道があると、文句を言う。しかし、その自民党を政治献金と組織票で支配しているのは、経済界ということになる。太郎さんの言葉を借りれば、経団連ということになります。経済界は、広告宣伝費を支払うことによって、マスメディアを支配している。

 

マスメディアは、自民党に気を使い、経済界のご機嫌を伺いながら、そうは言ってもテレビであれば視聴率、新聞であれば購読部数を確保する必要があるので、一応、国民に対しても配慮が必要となる。しかし、概してこれはポピュリズムと呼んで良いレベルにある。

 

このように考えますと、仮に太郎さんが街頭演説会で述べている事柄を国民が知らなければならない“重要な事項”だと定義しますと、まず、マスメディアが係る“重要な事項”を報道することはない。してみると、現在の日本国民というのは、マスメディアのみから情報を得ている“情報困窮者”と、ネットを通じて積極的に情報を取りに行く“情報取得者”とに分けられるような気がします。(“情報取得者”の数が、いずれ“情報困窮者”の数を上回ることを願って止みません。)

 

いずれにせよ、日本という国家の統治システムとしては、極めて脆弱であると言わざるを得ません。この国に住む全ての人々の利益を考えているのは、誰か。この図の中には、出て来ないのです。この図を貫く原理は、自発的隷従であり、既得権の保護であり、反知性主義です。そして、アメリカの方から新自由主義グローバリズムという攻撃があり、日本は破壊されてしまった。

 

だから、太郎さんがれいわ新選組を立ち上げた! そういうことなんですね。


「政党の立ち位置」と題するシリーズ原稿は、今回をもって終了と致します。