文化領域論

(No.196 ~ No.228)

新党「オリーブの木」、対米自立ということ

あまりマスメディアでは取り上げられていないと思いますが、5月21日に新党「オリーブの木」の旗揚げ会見が開催されました。これがまた、とても新しい試みなんです。

まず、主要メンバーは以下の3人です。

 

代 表   小林興起 氏 (75)
共同代表  黒川敦彦 氏 (41)
共同代表  天木直人 氏 (72)

 

70代のお二人は、自他共に認める右派です。右翼団体一水会」とも近しい関係にあるようです。そして、40代の黒川氏は今治市の出身で、加計学園の問題を追及してきた人です。一般的な言い方をしますと、典型的な左派ということになります。すなわち、「右も左も関係ないんだ!」という前代未聞の政治集団が、この「オリーブの木」ということになります。しかし私は、やはり右と左とではメンタリティに差異があると思っています。そこで、「右と左の戦いは一時休戦にして、今は日本人が一丸となってグローバリズムと戦うべきだ!」と言い換えてみますと、私としても賛成できる。

 

次に、「オリーブの木」の新しい所は、政党でありながら、緩やかな連携を目指している点かと思います。絶対に譲れない事項のみを合意し、あとは政党を構成する政策集団が裁量をもって判断できる、という構成になっているようです。

 

新党「オリーブの木
 ・政策集団A
 ・政策集団B
 ・政策集団C

 

イメージとしては、上記のような構成になっている。これも新しいですね。従来の政党は、国会における採決の際など、党議拘束と言って、党の方針に従って投票する義務が課せられてきた。

 

更に「オリーブの木」の基本政策としては、次の3点が掲げられています。

 

1. 対米自立
2. ベーシックインカムの導入
3. 消費税を5%に減税

 

消費税減税は、「れいわ新選組」と類似しますが、特にいの一番に「対米自立」を掲げた政党というのは、過去に例がないと思います。今回は、この点について考えてみます。

 

思うに、アメリカは軍事と経済の両側面から、日本を拘束してきた。しかし、そのことにどれだけの日本人が気づいているのか。半分もいないのではないでしょうか。情報は隠され、捻じ曲げられ、時には虚偽の情報さえ流布される。アメリカという権力に自発的に隷従するエリート層がいて、テレビは愚民を育て、大手の新聞は真実を報道せず、御用学者がそのようなシステムをバックアップしてきた。

 

この問題について、ちょっと変わった観点から、私の考え方を述べさせていただきます。

 

まず、このブログを通じて、私が哲学から学んだことは何か。それは「認識せよ!」ということだった。例えば、パースは記号ということを考えた。人間が五感を通じて認知するもの。それが、記号です。記号はそれが組み合わされることによって、より複雑な事柄を人間に認知させる。その代表例が、言語ということになる。言語という記号を通じて人間は何かを認知し、記憶し、そして思考する。だからパースは「人は記号である」とまで言い切った。

 

何も知らなかった私は、パースに触発された訳ですが、もう少し調べて行くと、このような考え方にはとても長い歴史のあることが分かってくる。言語や人間の認識方法については、既に古代ギリシャ人が考えていた。古代ギリシャの考え方は、トマス・ホッブズジョン・ロックの時代に復活する。それが、カントの純粋理性批判において結実し、その後のパースや分析心理学のユングなどによって、継承されていく。この一連の流れを、哲学の世界では「認識論」と呼ぶ。

 

多くの人々が、長い歴史の中で考え続けてきたこと。それは「認識せよ!」というテーゼだった。私は、この立場を支持しています。全ては、認識するところから出発する。従って、私は嘘の情報を欲しいとは思いません。Post-Truthなど、とんでもない。私が欲しているのは、真実の情報です。大切な情報が隠匿されるということにも、嫌悪を感じます。それは、私たちが認識することを妨げるからです。

 

認識の次のステップは、仮説を立ててみるということではないでしょうか。宗教も、共産主義も、仮説です。実証されれば、それは真実ということになりますが、未だに証明はされていない。その意味では、私も一つの仮説に賭けています。それは、平等ということです。未だかつて、人類が平等に暮らす社会というのは、実現されていません。しかし、平等な社会は実現可能である、という仮説を立てて、その仮説を実証すべく試みる。それが大切だと思います。平等な社会を目指せということは、日本国憲法にも書いてあるし、実際、格差を拡大する資本主義やグローバリズムが世界レベルで行き詰まっているのは、明らかです。例えばイギリスでは、今年に入ってからブレグジット党という政党ができて、支持率では過去の2大政党であった保守党と労働党を抜き、1位に躍進したそうです。ちなみにこの政党、ワンイシューだそうですね。すなわち、ブレグジットを推進するという1点を公約にしている。日本のN国党と同じですね。

 

さて、では、日本はアメリカから自立できるでしょうか。それは私にも分かりません。しかし、できるかどうかではなく、「アメリカから自立できる」という仮説を立てて、その方向で努力してみることが大切ではないかと思います。いきなり革命的な運動を起こすのが良いとは思いません。少しずつ段階を経て、やっていけばいいのです。経済面であれば、まず、消費税を廃止してみる。そして、日本の貧困化を目的に制定された財政法(4条)を改正する。希望する非正規従業員には、正社員になる道を開く。最低賃金を引き上げ、個人消費を刺激した上で、政府による財政政策と日銀による金融政策を融合して、自律的に独立国家としての経済を運営していく。それ位なら、我々国民が選挙において正しい選択をすれば、可能だと思います。政治家、官僚、ケイ団連のお偉いさんなどを含め、全ての日本国民が一丸となって取り組めば、意外と簡単に実現できるような気がします。