文化領域論

(No.196 ~ No.228)

人が進化系の文化に参加するまで

藤井聡氏は、アメリカでMMTを提唱したステファニー・ケルトン教授を招聘し、7月16日に東京で国際シンポジウムを開催するそうです。なかなか、やりますね。詳細は、「令和ピボットニュース」というサイトにて。

 

マンガの「私立Z学園の憂鬱」が、刊行されるそうです。作者の方は印税を「あしなが基金」に寄付されるそうです。やはり、世の中にはお金より大切なことがある。

 

さて、近頃、漠然と「認識せよ」、「文化に参加せよ」といったことを考えて参りましたが、一応、その考えに決着が着いたように思いますので、以下に報告させていただきます。

 

大切な何かを認識して、文化に参加するまでの概念モデルです。

 

1. 記号
  人間は、五感を通じて“記号”を認識する。

 

2. 情報
  “記号”は単独で、若しくは複数が組み合わさって、“情報”を構成する。

 

3. 知識
  “情報”が記憶されると、それは“知識”となる。

 

4. 観察
  人は日々の生活を通じて、若しくは経験を通して、自分が持っている“知識”を

  更新していく。

 

5. 疑問
  時として人は、驚くべき事実を発見する。その事実は、その人が保有し、更新

  して来た知識とは異なり、又は知識の範囲を超えるものであって、人は“疑問”を

  持つ。

 

6. 思考
  人は、疑問を解決しようとして“思考”する。

 

7. 原理の発見
  思考の結果、運が良ければ、人は新たな“原理”を発見する。“原理”とは、複数の

  事例に共通して現われる傾向のことである。

 

8. 思想
  発見した“原理”に準拠すれば、近未来を予測することが可能となる。すると、

  進むべき方向が見えてくる。そして、どちらの方向に進むべきなのか、物事

  はどうあるべきなのかという意見が生まれる。この意見が、すなわち“思想”

  である。

 

9. 表現
  思想を持った人は、これを“表現”し、誰かに伝えようとする。

 

10. 進化系の文化に参加する
  “表現”された“思想”は、時として人々の共感を呼び、文化的なムーヴメントを

  引き起こす。これは、新たな仮説や発明に基づくものであって、文化の進化に

  寄与しようとするものであり、退行や現状維持を企図する“退行系の文化”では

  ない。

 

 項目だけ、列挙してみます。

 

1. 記号
2. 情報
3. 知識
4. 観察
5. 疑問(驚くべき事実の発見)
6. 思考
7. 原理の発見
8. 思想
9. 表現
10. 進化系の文化に参加する

 

上に記した概念モデルは、ある意味、人がとても幸福になるパターンだと思います。一生懸命考えたって、原理を発見できるとは限りません。思想を表現したからと言って、誰かがそれに共感する保証もありません。

 

別の見方をしますと、学校で教えてくれるのは、3番の“知識”までではないか。疑問があれば、それに答えるのが教育でもあります。すると、そこで完結してしまうメンタリティというものを想定することができる。例えば、東大卒のエリート官僚は、その先の“疑問”に進む必要がない。むしろ、“疑問”を持つことは、自らのキャリアにとってマイナスとなる。逆に、情報弱者と呼ばれるインターネットに接続できない人たちも、そこで止まってしまうのではないか。知識があって、それを更新はする。しかし、自ら疑問を持つに至る程の情報に接していない。ネトウヨと呼ばれる人たちも、同じだと思います。彼らはネット環境に順応し、ある程度、経済的に恵まれていて、社会の現状に対し疑問を持つ必要がないのではないか。但し、文化には参加したいという強烈な欲求を持っていて、飽きもせずヤフーのコメント欄に書き込みをしている。そう考えますと、疑問を持たず現状維持を希求する人びとというのも、実は、あまり幸せではないような気がします。貧乏人のやっかみかも知れませんが・・・。

 

他方、上記のステップをフルコースで疾走中の人もいる。例えば、立憲民主党から立候補予定のおしどりマコさん。彼女にとっての「驚くべき事実」とは、福島第一原発の事故だった。そこから彼女の“思考”が始まり、彼女は“原理を発見”する。そして彼女は、被害者救済を徹底すべきだ、原発を再稼働してはならないという“思想”を持つに至り、政治の世界に参加しようとしている。大変だとは思いますが、私のロジックからすれば、マコさん、結構幸せなのではないか。

 

れいわ新選組を立ち上げた山本太郎さんも同じです。私などは、わずかばかりの寄付をさせていただき、幸せのお裾分けに預かったりしている。

 

世間では、夫婦で老後に2千万円の貯蓄が必要だと金融庁が発表し、大騒ぎになっていますが、違和感を禁じ得ません。まず、金融庁は2千万円の他に家のリフォーム費用等が必要になると言っているのであって、それらを合計すると不足額は3,660万円になります。更に、検討のモデルとされる夫婦は恵まれた経済環境にあって、夫は厚生年金に加入している。国民年金に加入されている方々は、更に不足額が膨らみます。嫌な話ばかりで恐縮ですが、年金の支給額は「マクロ経済スライド」によって、今後、減額されそうですし、経団連は「最早、終身雇用は無理」と言い出し、退職金の額も減少している。

 

最早、日本の社会、経済システムは成り立たない所まで来ている。日本という国家は、今、存亡の危機に晒されている。消費税を廃止する位では、収拾がつかない。私は、そう思いますけれども。